アジア開発銀行（ADB）が発行する「太平洋経済モニター」の最新号では、太平洋諸島の今年の成長率を3.5％、2024年の成長率を2.3％とし、観光とインフラ整備が成長の主な原動力になると予想している。
同誌の主執筆者であるTinio氏によれば、観光に依存する多くの地域では、観光業が引き続き成長を牽引し、その他の経済規模の小さい国では、建設業などの公共投資プロジェクトの再開により経済が成長を示すとしている。
ただ、ADBはガザ情勢にも注目しており、この問題が太平洋諸島の経済に直接、あるいは輸送コストを通じて間接的に影響を与える可能性があると見ている。この情勢を受けてのADBによる太平洋諸島への重要な提言は、太平洋諸島各国政府が活動資金を提供する、国内の経済的資源活用（domestic resource mobilisation）である。政府が提供する公共サービスは、ヘルスケアの確保や、人材育成のための教育、人的資本への投資などに必要であり、政府主導で行うインフラ整備は市場やビジネスチャンスへの接続やアクセスを容易にするとしている。（Radio New Zealand/DEC14, 2023)