マジュロでは先週、燃料価格が1ガロンあたり7米ドルに達し、昨年から高騰している輸入品価格の重要指標となった。あわせて食料品、輸入品の輸送費、タクシー代などが1年前と比較して大幅に上昇している。物価上昇はマーシャル諸島に深刻な影響を及ぼし始めている。島の建設業者によると、建築資材は、すべての建設コストが劇的に上昇しているアメリカから輸入されている。国際通貨基金(IMF)が4月中旬に発表した報告書によると、今年のインフレ率は6%になる見込みで、これは近年の3倍の水準である。しかし、現在のマジュロの燃料価格は、15カ月前に比べて40%以上高くなっている。2021年1月、Mobilのスタンドでは、ガソリン価格は4.70米ドル、軽油価格は4.85米ドルであった。2022年4月になると、ガソリン価格はMobilのスタンドでは1ガロン6.85米ドルまで跳ね上がった。ディーゼルは先週、史上初めて1ガロン7米ドルを記録し、15カ月前より1ガロン2米ドル以上高くなった。マジュロで最も安い価格を維持しているPIIのスタンドでさえ、軽油は1ガロン5.90米ドル、ガソリンは6.20米ドルにまで高騰している。しかし、マジュロのドライバーよりさらに離島におけるガソリン価格は、3月にはすでに1ガロン10米ドルの大台を超えたという。マジュロのタクシーは公共交通機関に相当するが、すべて個人経営で、ガソリン価格が1ガロンあたり6米ドルに近づいた2月には、運賃を50%値上げしている。このまま燃料費が高騰すれば、タクシー代は簡単にさらに値上がりしてしまう。また、食料品も高騰している。昨年は、小さな商店で1ダース4ドル以下で売られていた卵が、今では5ドル、ダウンタウンのスーパーマーケットで最近まで1ダース3ドル以下で売られていた中卵が、今では4ドル近くになっている。マーシャル諸島政府と建設関連業務を契約している米国に拠点を置く企業が、建設業界を襲う価格変動についてマジュロ当局に最新情報を提供した。米国では、建設資材コストの71%上昇、労働賃金コストの98%上昇、設備価格の71%が上昇している。これらを総合すると、マーシャル諸島にとって非常に厳しい時期であることがわかる。国勢調査の速報値では、前回の国勢調査が行われた2011年と比較して、マーシャル諸島に住む人が20%減少し、米国への大規模な国外移住が進んでいることが示されている。
(Radio New Zealand/ APR25)https://www.rnz.co.nz/international/pacific-news/465857/skyrocketing-prices-hit-the-marshall-islands-as-inflation-takes-hold
マーシャル諸島
【経済・社会動向】
物価の高騰(マーシャル諸島)
2022.05.02