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PACIFIC ISLANDS NEWS [ 太平洋諸島ニュース ]

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金鉱山をめぐる取引と合意(パプアニューギニア)

パプアニューギニア政府は、同国のハイランド地域の大規模な金鉱山を再開するために「悪魔」と取引を行った。
Covid-19 パンデミックによる経済縮小の中、PNG政府はカナダに拠点を置くバリック・ゴールド社とポルゲラ鉱山の再開計画で合意に達した。Enga州の鉱山は、PNG政府がバリック社とその合弁相手である中国紫金鉱業集団のバリック・ニウギニ・リミテッドとの鉱山リース契約を拒否した1年前まで30年間稼働していた。バリック社は、ポルゲラ鉱山が10年間で50万オンス生産可能な埋蔵量を持つ長寿命で利益率の高い資産と見なしていたため、PNGを離れたくなかったが、この合弁会社は、環境問題や社会問題、地域社会にとって最小限の経済的利益など様々な問題をめぐって、ポルゲラ鉱山の土地所有者や住民から根深い反対にあっていた。PNG政府はここは世界有数の金採掘事業であるにもかかわらず、国が十分な利益の分け前を得ていないと感じており、国が鉱山自体を運営することを提案。しかし、資本不足と感染拡大が続く中、鉱業復帰の見通しは遠いものと思われた。その間、何千人もの人々が職を失い、国民とエンガ州政府は収入を失った。
以前は、バリック・ニウギニは鉱業事業の95%の所有権を享受し、残りの5%はPNGの政府と地元の土地所有者の間で共有されていたが、今回の合意では、鉱山の所有権は新しい合弁会社に移転し、PNGが51%、鉱山運営会社のバリック・ニウギニ・リミテッドが49%を所有することとなり、PNGのためにできる限り最良の取引を確保したとマラぺ首相は言っている。バリック社と中国紫金鉱業集団にとっては、できるだけ早く鉱山を再開することが優先事項だ。

土地所有者の不満
バリック社とPNGの政府の熱意にもかかわらず、土地所有者の問題はポルゲラ金鉱山を再開する計画に影を落としている。様々な地元の土地所有者グループは、環境被害、強姦、地域社会に影響を与える人権侵害を含む採掘活動に未解決の不満を抱えている。ポルゲラの土地所有者は、彼らが合意に関与していなかったと述べた。
「バリック社は決して我々の問題(国家とバリック)を追求しているようには見えなかった」と彼は言った。
「これらの未解決の問題はまだ保留中であり、何が起こっているのかを事前に知らされることは無かったのに、既に合意が署名されている。」土地所有者の反対は、今年鉱山が再開する可能性に対する妨害にもなりかねない。
今回の合意には、PNGが10年後に公正な市場価値で鉱山全体を取得するためのオプションも含まれている。
(Radio New Zealand/APR16, 2021)
https://www.rnz.co.nz/international/pacific-news/440622/png-does-deal-with-devil-it-knows-over-gold-mine