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PACIFIC ISLANDS NEWS [ 太平洋諸島ニュース ]

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オピニオンー健康的 安全 住みやすい太平洋諸島 葛西 健(カサイ タケシ)医師(太平洋諸島)

(葛西医師はWHO西太平洋地域事務局長であり、公衆医療において30年以上の経験を持つ。)
太平洋諸島のほとんどの地域では、Covid-19の感染が確認されていないか、または、ウィルスの封じ込めに成功していると言える。国境を閉鎖し、経済も停滞し各国はどのようにこのCovid-19に対応していくべきか、また、New Normalと呼ばれるものにどう適応すべきかについて複雑な対応を迫られている。政府はどのような対策を講じ、また、どのようにそれを解除していくかについて検討していることだろう。しかしながら、このCovid-19への対応は長期戦となると思われる。正直なところ、立ち止まらずに対応するしかなく、完璧な対応はできないと考えたほうが良い。地域共同体にウィルスが広まれば、緩めた対策を再度講じなくてはならない。大切なのは我々がフレキシブルでいながら、皆で協力して対応していくことだ。この2,3か月間、皆さんは多大な犠牲を払ってきたが、そうした犠牲―例えば店舗・オフィス・学校の一時閉鎖や外出自粛、旅行の延期や禁止、教会や宗教行事の中止や延期などーをしていなかったとしたら、数千人の人々がこの太平洋地域で感染していたことだろう。皆さんのこうした行動がこの地域でCovid-19が広がること、そしてそれにより医療体制が崩壊することを防いだのだ。またこうした対応が逆に太平洋地域の人々の暮らしを苦しくしたことも事実だ。特に社会経済には途方もない衝撃を与えた。数え入れない人々が職を失い、家族を養うすべを失った。貧しい人々が最も影響を受けたといえる。そして今、いくつかの制限が解除されるが、これは戦いが終わったことを意味しているわけではない。残念ながらこの戦いは長期戦となる。我々が生活する国際社会では、まだ、ウィルスは流動している。そして安全で効果的なワクチンが皆に接種可能となるまでは、どの国も決して安全とは言えないのだ。今、我々ができるのは人々の健康を守り、新たなCovid-19の流行の波に備えること、また同時に、経済と生活を再開することだ。このどちらか一つを選ぶというのは誤った考え方だ。実際に、社会の各部門が横断的に協力して、人々の健康と経済を向上させる必要がある。現在政府が直面する大きな問題に関しては、健康と経済の専門家にも意見を仰ぐべきであり、地域社会の人々や起業家なども共に話し合いの席に着くべきだ。こうした協力からすでに成果は出ている。Covid-19に対して新しく革新的な対応がすでに取られている。例えば、農家から医療従事者に対して農産品が直接に届けられたりもしている。これら革新的な方法はもしかしたらこれまで私たちが長年問題として抱えてきたことへの解決策となるかもしれない。このNew Normalのその他の特徴としては、これまで通り私たちはCovid-19の感染防止対策をとる必要があるという事だ。例えば、物理的な距離を公共の場で保つことや、しばしば手洗いをすること、具合が悪ければ外出自粛をすることなどだ。行動を変えるだけでなく態度も変えなくてはならない。New Normalにおいては、我々一人一人が自分たちでだけでなく家族・同僚・さらには地域の健康に対して責任を持つという事だ。この地域は強い共同体意識と弱者を支えようととする強い文化がある。私が太平洋諸島の食料品店の方、先生、政府の方々皆さんに強く訴えたいのは、この対策に集中したまま努力を続けてほしいという事だ。これからの道は、団結、一致、注意深さと忍耐が必要となる。一緒に新たな生活様式を進め、お互いに努力し伝えあおう。我々が自分自身のすべきことをよりきちんとやれば、経済や社会生活を安全に取り戻していくことができるのだ。究極的には、健康、安全、住みよい太平洋諸島の未来を築くのは私たち次第という事だ。(Radio New Zealand/JUN13, 2020)https://www.rnz.co.nz/international/pacific-news/418910/opinion-a-healthy-safe-and-liveable-pacific