若者の犯罪を減らすためにアイスランドで活用された方法をニューカレドニアの3つの町が試験導入することを決定した。20年前、アイスランドは若者から情報を集めて、プログラムを開発した。ニューカレドニア産業連合からの依頼を受けて、心理学教授であるMilkman氏は、アイスランドのプログラムの導入を希望している町の調査を実施した。Milkman教授は、ニューカレドニアの13歳以下の若者の半数はアルコールを消費しており、9%は大麻の使用もしているとした。アイスランドはこの20年間で、若者の飲酒は42パーセントから5%に減少したという。一方、ニューカレドニアではたばこや大麻の影響を受けて若者の非行が増加しているという。(Radio New Zealand/JUL26, 2019)
補足:アイスランド事例
1998年に42パーセントだった「飲酒に走る15~16歳の数」が、2016年には5パーセントに激減。大麻喫煙者の数も17パーセントから7パーセントに、タバコ喫煙者は23パーセントから3パーセントに減少した。アイスランドはヨーロッパでも群を抜いて「若者がクリーンな生活を送る国」として知られるようになったのである。1992年、レイキャヴィク大学のハーヴェイ・ミルクマン心理学教授率いるチームが、人間の脳が新しい習慣に依存する傾向を利用し、若者に ‟ナチュラル・ハイ” を経験させるプログラムを発足。依存症治療の必要はないが、アルコールや薬物に手を染めたことがある14歳以上の若者を中心に、音楽やダンス、アートや武術などを教えた。すると、‟何かができる” 技術を身に付けた若者は、自尊心が高まり社交性も向上し、人生に前向きになり始めたのだという。プログラムは3カ月のコースだが、なかには5年にわたって留まる者もおり、「何かをする楽しさ=ナチュラル・ハイ」を味わった若者は、アルコールやドラッグに逆戻りすることが少なくなったという。
ニューカレドニア
【経済・社会動向】
アイスランドの若者対象プログラムを試験導入(ニューカレドニア)
2019.07.29