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―ミクロネシア連邦ポンペイ島紀行―

南太平洋に浮かぶ島、熱帯雨林の手つかずの大自然と美しい珊瑚礁と透明な海、世界遺産のナンマドール遺跡で有名なミクロネシア連邦のポンペイ島への旅、夫婦二人の旅行記をお届けします。

訪問期間2016年10月27日(木)~31日(月)

第1日目

ポンペイ島に行くにはユナイテッド航空(UA)でグアム経由となるが、私達は真夜中から早朝にかけての乗継を避け、グアムで一泊して朝の便でポンペイ島まで移動することにした。午前11時発のUAで成田を出発し、グアムには午後3時半頃到着。到着後ホテルニッコーにチェックインし、夕方ホテルのビーチで過ごした後街中へ出て食事へ。このミニホノルルのような現代的で都会的なリゾートの島で一泊し、熱帯雨林のまだ手つかずの美しい自然の島、ポンペイ島に思いをはせた。

第2日目

午前8時20分グアム発の数々の島々を経由しホノルルまで運行するアイランドホッパーと言われるUA便で移動。お隣に座ったおばあさんはマーシャル諸島まで行くというが到着は夕方になるという。フレンドリーで可愛らしいおばあさんだった。

途中ミクロネシアのチューク島を経由し、約4時間後にポンペイ島に到着した。到着前空の上から珊瑚礁に囲まれた島々が見えて来て、想像以上の美しさにわくわくした。

降り立ったポンペイ国際空港はこじんまりと小さいがとてもクリーンなイメージ。この空港整備に日本政府が協力したようで空港の壁にあったミクロネシア連邦と日本の親善プレートが印象的でいかにも親日なイメージが伺えた。

ポンペイ島はミクロネシア連邦の首都が置かれている人口約34,000人の小さな島。第一次世界大戦の際日本が統治を始め多くの日本人が移民した歴史を持つ。また太平洋戦争で日本海軍が駐屯したり、爆撃されたりと影響を受けた日本にもゆかりのある島。日本の屋久島とサイズ、形ががほぼ一致するということも二つの島の何か不思議な縁を感じ興味がそそられた。

熱帯雨林気候で雨の日も多いと聞いていたので旅行中のお天気を心配していたが、この日は曇り、気温は約30度位、南国特有の気候で蒸し暑い。頼んでいたエージェントの方に空港からホテルまで送迎頂き、約15分ほどでクリフレインボーホテルに到着。ここはミクロネシア連邦の大統領経営のホテルだそう。こじんまりと清潔なホテルで部屋も水色の壁が可愛らしい。

一階の庭に面したホテルのレストランに行くとジャズの音楽が流れ雰囲気も良く、スタッフの方もフレンドリーでサービスも良く食事も美味しかった。南国とけだるい感じのジャズも結構いいなあ。お食事はアラカルトで、ピザ、パスタ、ハンバーガー等軽食がメインだが、さすが漁業の盛んなミクロネシア、マグロのお刺身もメニューにあった。

ポンペイ島では放し飼いの犬が多く歩くのがちょっと怖い。車や乗り合いタクシーで移動するのが普通の様です。タクシーはポイントからポイントだったら一人片道1ドルから。この日の午後はホテルの従業員にタクシーをチャーターしてもらい、街の中心を案内してもらった。まずはローカル市場に連れて行ってもらったが、バナナ等フルーツ類、魚類も収穫してそのままの状態で沢山売られていた。ただバナナ等フルーツ類は房単位で売っているので食べきれないと思い購入は控えた。

 

 

ポンペイ島は世界一美味しいと言われる胡椒が有名だが、日本人が経営する胡椒専門店Sei Pepperに連れて行ってもらった。そこでしか買えないという日本人好みのブラックペッパーの佃煮をお土産に購入した。辛くて上品な香りのスパイスが効いて美味しくてご飯のお供にぴったり。

 

 

 

 

 

 

中心街には数々のスーパーマーケットが点在し全体的にはやはりアメリカの食材が豊富な印象だったが、日本人の経営するスーパーマーケットもあったり日本食の材料、調味料、お菓子等も割高だが手に入る。街には映画館もあって週末の夜はかなり混むそうで、小さな街だが一通りのものはそろっている印象でした。タクシードライバーが大手スーパーの奥にある第二次世界大戦で戦った日本軍の使った武器、道具等が展示してある特別展示室に案内して下さったが、ポンペイ島が第二次世界大戦の影響を受けていたことを改めて実感し生々しい戦争のイメージが脳裏に浮かんだ。現在の平和な日本があるのもこうやって身を持って戦って下さった日本兵の方々のお陰と胸の奥が何だか熱くなり敬意の気持ちが浮かんだ。また島のうっそうと茂る緑の中には当時の戦車も何台か停まっていた。父方の叔父が出兵し太平洋戦争で命を落としていると聞いていたので余計にそんな気持ちがこみ上げたのかもしれません。

夜は翌日からのツアーをお願いしている日本人ダイビングインストラクター兼ガイドさんとホテルのロビーでお会いして翌日からのツアーのブリーフィングをしていただいた。このガイドさん、奥様はパラオ出身の方だそうで、現地にすっかり根をおろし溶け込んでいる方で、子供達の為にスポーツや音楽を通したボランティア活動もされているそうで島を車で走っていると沢山の子供達が声をかけてきた。

その後日本人の経営する海沿いのホテルPCRホテルの日本食レストランに連れて行っていただき、主人はお店お勧めのトンカツ定食、私はマグロのステーキ定食をいただいた。日本だったらお刺身にするような脂の乗ったマグロの切り身の贅沢なステーキ、ボリュームもあってとても美味しかったです。ビールを一杯飲んで一人15ドルくらい。お店の女将さんは以前に世界の秘境の日本レストラン経営者と紹介されテレビにも出たそうです。

第3日目

今日は今回のツアーの目的の一つでもある、ポンペイ島から船で約1時間15分くらいの美しい珊瑚礁と白い砂浜で有名なアンツ環礁で体験ダイビング。高温多雨気候で雨が降り海が荒れて船で行けない日も多いと伺っていたので、お天気にも恵まれて本当ラッキーでした。この島ではお客様の要望に合わせてカスタムメイドのツアーを手配するのが普通の様で、多少割高にはなってしまうが数名乗りのボートをチャーターし島民の船長さんとガイドさん、そして我々の4名で出発。この日は晴天に恵まれ風もあまり無く海も穏やかでさほど揺れずに無事にアンツ環礁に到着した。白浜の透明な水色の海、船が到着したら小さなサメやマンタが迎えてくれた。まるでカラフルなお花畑のような珊瑚礁に群がる沢山の魚達の世界が広がる海で体験ダイビングができて、今まで旅行で訪れた島の中で海の透明感はもちろん最高、まるで楽園のようなところでした。

ハンバーガーとフライドポテトのランチボックスと炭酸飲料をガイドさんが用意して下さっていて、透明なブルーの海を眺めながらいただくランチは格別でした。

ポンペイ島に戻ると地元の子供達が裸で海に飛び込んで最高の笑顔で遊んでいました。日本ではこういう光景って見られないなあ。

 

第4日目

この日も朝9時にガイドさんにピックアップいただいて、今回の旅のもう一つの目的、昨年世界遺産に登録されたばかりの、海上遺跡のナンマドール遺跡へ。島民の多くはキリスト教徒と聞くが、この日はちょうど日曜日でホテルから車で約一時間程かかる道中、教会におめかしして通う島民の姿が印象的でした。

ナン・マドールとは、「神々と人間との間に広がる空間」という意味があるらしく、とてつもない無限の広がりを表す言葉らしい。現在は13世紀前後に発展した王朝の遺跡という説が有力のようだが、一説にはムー大陸の遺跡の一部とも言われたこともあり、依然分からないことが多くミステリーの遺跡で、玄武岩で作られた大小約100位の人工島で構成されているそうだ。ナンマドールの入り口に着くと、まるで探検隊になった気分でマングローブの生い茂るジャングルをしばらく歩いていくと遺跡が現れた。満潮になると遺跡の一部が水の中に埋もれてしまうので朝のうちから行動することが重要。一部水の中を歩くのでゴムぞうりで歩いた。一体いつ、どんな人たちがここで暮らしていたんだろう?と思いを巡らせながら、見学した。世界のミステリースポットの一つ。

車で帰り道ケプロイの滝に寄った。やはりジャングルの中を10分ほど歩いていくと滝が見えて豪快な滝でした。

ランチは2日目の夜に食事したPCRホテルのレストランにて、回転寿司があるという。でもお寿司らしいものはカリフォルニアロールの様なお寿司だけで、マグロのマリネ、トンカツ、空揚げ、春巻き、サラダ、スイーツ等々様々なお皿がレールに乗って周ってきて、あとは女将さんに言えばミニカレーライス、スープ等色々なものが出てきた。これでアイスティが付いて食べ放題で9ドルは安い。

最後のポンペイ島の夜、海に面した山の上にあるCupidsレストランにて夕日と絶景を眺めながら食事し、最後の夜を楽しみ惜しんだ。ステーキ、椰子の実のジュース、マグロの刺身等いただいたがどれもとても美味しかったです。

ホテルに戻り軽く仮眠し、夜中にガイドさんにピックアップいただき、深夜1時35分ポンペイ発のUA便に乗る。グアムにて乗り継ぎだったが、グアムが何だか随分都会のような気がした。何となく遠い昔から現代に戻ったような気分だった。朝9時35分に成田へ到着。

駆け足のポンペイ島旅行だったが、フレンドリーで少しシャイな純朴な島民の方々に触れ合い、どこか懐かしい気持ちにさせてくれる島、はるばる訪れて良かったと思える旅だった。もっと便利になって欲しいけど、でも自然も島の人たちの暮らしもこのままあまり変わって欲しくないような複雑な心境になった。今回の旅は日本を出発する前から情報を提供して下さった皆様、短い日程の旅だったが周りたい観光スポットを上手にコーディネートして下さったベテランのガイドさんのお陰と感謝しています。

K. I