ゼミの先輩をお誘いして、女性二人で2013年8月末にフィジーへ行きました。現在日本からは直行便がなく、韓国経由で12時間ほどかけての旅でした。フィジーとの時差は3時間でしたが、「時差ぼけ」での苦労はありませんでした。
出発日
午後、成田から仁川(ソウル)経由の大韓航空でナンディへ。ナンディ到着は翌日の朝になります。私は初めての海外旅行でしたが、海外旅行経験のあるY先輩(PICインターンの先輩でもあります)によると大韓航空はわりとサービスがいい印象だとのことでした。
現地第1日目
朝、ナンディ空港につくと旅行会社の日本人スタッフが出迎えてくれました。他の日本人旅行客といっしょに空港を出て、バスでホテルに向かいます。途中で両替をしました。両替レートは銀行によってまちまちで、この会社はその都度いちばんレートのいい両替所に連れて行ってくれるそうです。
ホテルはメルキュール(Mercure)ホテル。フランス系なのでフランス語読みなのですが、地元の人たちは「マーキュアー」と言っているそうです。宿泊客はわりと日本人も多い印象でした。ホテルのロビーでは、旅行会社の方からオプショナルツアーなどについての説明がありました。先輩と私は、興味を引かれたスパデナラウの予約をし、荷物を預けて(午前中なのでチェックインはできない)、ホテルから出ているタクシーでデナラウ島に向かいました。フィジーでの移動はタクシーが基本のようです。車は日本車が多く、印象ではトヨタがもっとも多くて、たまに三菱も見かけました。
タクシーの中では少し会話もありました。私は英語はほとんどできないので、Y先輩がとても頼りになります。
ついたのは、ソフィテル・フィジー・リゾート&スパです。このホテルでは、宿泊客でなくてもホテルのスパを利用することができます。料金は予約時に旅行会社に払っているのでそのままスパへ直行。スパへ向かうまでの景色やスパから海が見える眺めなど、はじめて海外のリゾートに来たという実感がして大満足でした。
スパが終わると、旅行会社が手配してくれた車で、デナラウ港にあるJACKSというお土産屋に行きました。JACKSはナンディ市内にもありますが、こっちの方が大きいようです。行きに「買い物のあとはナンディ・タウンに行きたい」と言うと、送ってくれた車の運転手が店内でずっと待っていてくれました。ところがいざ帰るときになると申し訳なさそうに「人手不足でタクシーが出せない」と言われてしまいました。そして「外に黄色いバスが来るからそれに乗って行きなさい」とのこと。指示されたバスに乗り込むと、乗客は私たち以外は地元の人だけ。行き先が表示されているわけでもなく、料金も書いていません。おりるときのボタンもなく、どうするのかと思っていると、どうやら横にあるヒモを引っ張ると音が鳴り、それが下りる合図になるようです。
女性客も多いし、ともあれ私たちはそのバスに乗り込んでナンディ・タウンに向かいました。少し行くと私は少しうとうとしかけてしまいました。横に座っていたY先輩から「外国では絶対にやってはダメよ」と叱られました。
さて、バスはなにやら見かけない横道に入っていきます。不安に駆られた私は、「降りましょうか」と言いましたが、Y先輩は「とりあえず降りない方がいい」と言い、後ろに座っていた地元の方に声をかけてバスの行き先を聞きました。すると、このバスはちゃんとナンディ・タウンに向かっており、自分たちもそこで降りるとのこと。そしてこのご夫婦の合図で、無事ナンディ・タウンに到着しました。ちなみにバス代を支払うとき運転手さんはちゃんとおつりもくれました。
バスを降り、私たちがナンディ・タウンで買い物をして夕飯を食べたいと言うと、このご夫婦は自分たちが案内しましょうと言って下さいました。バスの中から接している感じはとてもよく怪しい感じはしなかったので、私たちは一緒に歩くことにしました。町を歩いてみるとナンディ・タウンは観光地と言われていた割には日本人も欧米系の人も全然歩いておらず、二人だけだと心細かったなと思いました。
買い物を済ませ、中華レストランでご夫婦と食事(割り勘でした)。英語が話せない私はあまり会話に参加できませんでしたが、Y先輩がいろいろと話をしていました。フィジーではほとんどの人が英語を話すようです。でもご夫婦が二人で話すときはフィジー語でした。フィジー人の話す英語は、アメリカ英語風ではなく、単語と単語を区切って話します。ナマの英会話が初めてだった私でも、何となく話の内容がわかるような気がしました。
さて、話の中で次の日はデナラウ港からマナ島に行く予定だと話すと、自分(夫)も朝デナラウ港にいるからまた会おう、また夜にはデナラウで無料のダンスショーもやるので、よかったら見ていったらいい、とアドバイスをくれました。食事後、ご夫婦はホテルまでのタクシーを拾ってくれ「また会いましょう」とお別れしました。とても親切で感じのいいご夫婦と知りあいになれて「ラッキーだったね」とY先輩と話しながらホテルに戻りました。
ちなみにフィジーでタクシーに乗るときは、メーターがついていないこともあるので、まず目的地までの料金を確認することを怠らないように、と注意されました。また、このときにのったタクシーはメーター制でしたが、支払いの段に「おつりの小銭がない」といわれ、若干高めの料金になってしまいました(ご愛嬌レベルですが)。あとで聞くと、「おつりがない」という運転手は時々いるそうです。
現地第2日目
朝、ホテルから出ているバスでデナラウ港へ。探しても「港で会おう」と約束した昨日のご主人が見当たらないので、諦めてチェックインを済ませて船に乗ろうとすると、なんと乗船場にいました! どうやら観光船のお仕事をしている方だったようです。手紙書きますね、と彼にアドレスを渡して船は出発。今日もなんかいい感じの始まりです。
さて、船は途中いくつかの島によりながら、約1時間半かけてマナ島に向かいます。乗客は欧米人、日本人、中国人(台湾人?)などなど。意外にあっという間でした。マナ島では私たちを含めアジア系の観光客が多く降りました。降りるとスタッフが歌で出迎えてくれます。空港に始まり、フィジーではいつも送迎時に歌を歌ってくれていました。島では簡単な説明を受けて自由行動になります。私たちはシュノーケルツアーに参加しました。ガイドの方は日本人で、他のお客さんにも日本人がちらほら。初めての海外だった私にはすごく安心感のあるツアーでした。
島に戻ったあと、壊れてしまったビーサンをマナ島の日本人スタッフの方が手慣れた感じで直して下さったのですが、なんかその手際のよさに感動してしまいました。そして、お話ししていると、その会社は4月の「マリンダイビングフェア」でPICのブースでいっしょにPR活動をしている会社なのだそうで、またまたびっくりしてしまいました。
ところで、マナ島の港には8つのポールがあり、それぞれ国旗がはためいていました。フィジー、オーストラリア、ニュージーランド、アメリカ、イギリス、中国、韓国、そしてひとつは旗なし・・・。ここはどう考えても日本の国旗の場所と思ったのですが、なんで????? でも結局聞けずに疑問は解決しないままにマナ島をあとにしてしまいました。
デナラウに戻るとご主人が私たちを出迎えてくれました。近くでフィジー料理を食べて腹ごしらえをして、私たちはご主人と無料のダンスショーへ。毎週土曜日にデナラウの広場でやっているそうです。フィジーの踊りを見ていると、途中で奥さんとそしてお子さん二人も合流して、私たち二人と合わせなんともアットホームな集団になりました。心地よい時間を過ごしたあと、「いっしょに食事していく?」と誘われましたが、だいぶ時間が遅くなったこともあってそれはやめておきました。別れ際、ご主人は自分のアドレスとfacebookを教えてくれ、次に私たちがフィジーに来たときは、家に遊びに来なさい、といってくれました。思いがけずもフィジーで家族ができたようす。海も自然も食事もスパも、いろいろ楽しくいい思い出ができましたが、今回のフィジー旅行でいちばん「よかったな~」と思い返すことは、このご家族との出会いです。
帰りはご主人がタクシーを手配してくれ、無事にホテルに戻って二日目が終了しました。
現地第3日目
この日はオプションナルツアーで「ロビンソンクルーソー島クルーズ」に参加しました。じつは私はこの島がどこにあるか分からず行ってきたのですが、あとで調べたらシンガトカやナタンドラビーチの手前あたりにありました。
ホテルからバスでいざ現地へ! と思ったら、途中でお客さんを拾うために止まったと思ったのに誰も乗ってこず、突然停まって中国人らしき女の子を乗せて町で降ろしたり、なにもないところで長いこと停まって何をしているんだろうと思っていたらどこからともなく欧米人の団体さんが乗り込んできたり、なんだか謎だらけの往路でした。
そして最後に現地民が乗ってきたと思ったら「BULA!!!!!」と大きな声で一言。これはどうやらこのツアーのスタッフだったようです(帰路もスタッフとお客さんと同じバスで帰りました)。
さて、バスに揺られてついたのは周りに何もない川。そこから船でジャングルクルーズ風情を堪能しつつ、沖合の島に向かいます。島ではいつものように歌で出迎えられ、スタッフの説明のあと自由行動になります。
この日は残念ながら天候不順でシュノーケルは中止。島ではヤシの実割り、郷土料理「ロボ」の昼食、ブッシュウォーク、ヤドカリレースなど。「タートル・ビューイング」(亀の見学)というイベントもあって、何だろうと思っていたら、人間が亀の甲羅に隠れていて「わっ!」と脅かすだけのイベントでした。また自由時間は泳いだり、ハンモック乗ったり、アイス食べたりして過ごしました。このツアー参加者はやはりオージーが多く、日本人は島で宿泊する人たちと私たちだけでした。
帰りもまたバスはスタッフと客をまとめて方面ごとに送っていきます。私たちの泊まったホテルへは、デナラウの客を降ろしてから向かったのでかなり帰りが遅くなってしまい、夕食はホテルで食べました。
帰国日
朝早くホテルを出発して、空港でお土産を買いました。旅行会社の方から「液体は韓国でのトランジットの際に没取されてしまうので注意して下さい」と説明がありました(預け荷物の中に入れておく分にはOK)。大韓航空の出発はやや遅れましたが、乗り継ぎ便が仁川で待っていてくれたようで無事帰国。いい旅でした。
感想
まず、陽気で優しいフィジー人がとても印象的でした。空港のスタッフも、ホテルのスタッフも、「すれ違う人全員」といっていいほど、どこに行っても話しかけられました。Y先輩も「これは他の国ではなかったよ」と言っていました。そんなフィジー人とのコミュニケーションは、とりあえず「Bula」。朝でも昼でも夜でもBulaでOKで、フィジーではHelloより使えると思いました。
今回の旅行は観光地のナンディにいたせいもありますが、フィジーは観光業が大切な産業だということがよくわかりました。また、思っていた以上に、フィジーには日本人が多かったという印象も受けました。滞在中、フィジーに語学留学に来ている学生や、テニス合宿をしている団体にも会いました。
海外初めてで短い滞在でしたので、リゾートホテル内やリゾートアイランドを除くと、ふらふら出歩いても全然大丈夫、とまではぜんぜん言えませんが、治安は想像していたほど悪くはなかったと感じました。
(旅行期間2013年8月22~26日。本旅行記は筆者個人の経験と感想に基づくもので、PICの意向を反映するものではありません)
明治大学3年H