世界中のシステムをハッキングするために使用される可能性があるとされる暗号通貨法案について、クック諸島の議会での取り扱いに懸念が高まっている。国際的な資産差し押さえを専門とする高額債権回収会社Drumcliffeは、少なくとも2人のクック諸島在住の弁護士を雇い、「汚染された暗号通貨回収法案2023」を起草した。業界関係者によると、この法案が起草される際に協議が不足していたことから、重大な懸念が生じているという。利害関係者は、この法案が広範囲に影響を及ぼす可能性があるとして、法案の審議を中止するよう求めている。クック諸島独自の法律であるクラウン・ローは、草案作成プロセスから除外されていたという。この法案を国会に提出したのはMokoroa法相だが、彼もまたこの法案には関わらなかったという。Mokoroa 法相はこの法案が世界中のシステムへのハッキングに利用され、国の評判を傷つける可能性がある事に関する懸念を表明したが、他方オフショア・バンキング・セクターの地元企業も、この法案によって自分たちの産業が影響を受けることを非常に心配しているという。Ora Trust Partnersの創設者兼最高経営責任者である Puai Wichman氏は、この法案は多くの問題があり何のメリットも見いだせないとして、法案が撤回されることを望んでいる。しかし、汚染された暗号通貨回収法案を起草した Tim Arnold氏は、それがクック諸島に利益をもたらすと信じていなければ、自分は関与しなかっただろうと語った。Arnold氏は、この法案は、重大な犯罪に使用された暗号通貨のみを対象としていること、この法案がクック諸島に提出された理由は、暗号通貨を追跡し、押収するリソースと能力を持つ民間セクターが存在ことを説明した。また、クック諸島が情報のハブであり、法的手続きを待つ間、押収された資産の安全な保管場所としての役割を果たすことを挙げ、サイバー犯罪に対する世界的な取り組みに貢献する上で、この法案がクック諸島にもたらす潜在的なメリットを強調した。この法案の撤回を求める世論の声に対し、マーク・ブラウン首相は、"最終的にどのような法律であれ、憲法と法律に沿ったものであり、サイバー犯罪と戦う他の国際機関や国々と足並みを揃えることができると確信している "と述べた。(Radio New Zealand/APR24, 2024)
クック諸島
【経済・社会動向】
クック諸島暗号通貨法案-懸念の理由:協議していないと法相 (クック諸島)
2024.05.01