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PACIFIC ISLANDS NEWS [ 太平洋諸島ニュース ]

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世界で最も肥満の多い10カ国のうち9カ国が太平洋地域という研究結果(太平洋諸島)

Lancet誌に発表された新しい分析によると、20歳以上の女性および男性の肥満の有病率が世界で最も高い上位10カ国のうち9カ国が太平洋島嶼国であることがわかった。世界中で、成人の肥満は1990年と比べて2倍以上に増加し、子供と青年(5歳から19歳)では4倍になっており、現在10億人が肥満状態にあるという。太平洋地域では、過体重、肥満、食事に関連する非感染性疾患が、ここ数十年の間にあらゆる年齢層で徐々に増加しており、早期死亡や身体障害の主な原因となっている。過体重や肥満は、糖尿病、高血圧、心臓病などの非感染性疾患の発症リスクを高める。これは生命を脅かし、生活の質に影響を与えるだけでなく、人々が労働力として活躍できる年数を短縮することによって、経済や開発目標の妨げとなる。太平洋地域の保健指導者たちは、肥満対策に努力を続けているものの、進展は遅々としている。課題のひとつは、肥満率上昇の要因の多くが、保健指導では手に負えないものであるということだ。WHO南太平洋代表の Jacobs博士によれば、肥満の要因は複雑であるとし、「太平洋の多くの地域では、不健康な食品は安価で便利であり、広告を通じて大々的に宣伝されている。一方、健康的な食品は、気候変動による干ばつや洪水、海面上昇に直面して、ますます入手が困難になり、価格も高くなる可能性がある。何を食べるか、どれだけ食べるか、そして体を動かすかどうかは、取り巻く文化や、安全で快適な運動ができる場所があるかどうかといったことにも関わってくる」と述べる。新しいアプローチの必要性を認識し、昨年9月にトンガが主催した第15回太平洋保健大臣会合で保健指導者たちは、特に子どもや若者の肥満の複雑な要因に対処するための一連の行動を約束した。そして、他の政府省庁、特に環境、貿易、金融、税関、農業、漁業、社会開発の各省を巻き込む必要性を強調した。「政府全体、そして社会全体が協力してこそ、肥満率の上昇を食い止めることができる」とJacobs博士は語る。WHOは肥満対策として以下の事項を政府のさまざまな部門、医療従事者、両親、教師、スポーツ界のスター、地域組織、教会の指導者と共に進めていく方針だ。*不健康な食べ物や飲み物をもっと高価にする(甘い飲み物に税金をかけるなど)、あるいは輸入しにくくする;* 健康的な食べ物や飲み物を入手しやすく、安くする;* 妊娠中の健康的な食生活を支援し、生後6カ月間は母乳のみで育てる;*子ども時代に健康的な習慣を確立し、子どもの身長と体重を定期的に測定する;*健康的な食べ物や飲み物を提供することで、良い食事がどのようなものかという期待を変え、私たちが家族や友人を愛していることを示す、*安全で快適な運動の場を作り、運動の楽しさを伝える。(Pacific Islands News Association/MAR05, 2024)

https://pina.com.fj/2024/03/05/study-finds-pacific-accounts-for-nine-of-the-10-most-obese-countries-in-the-world/