エルニーニョとは、エルニーニョ/ラニーニャ南方振動(ENSO)の温暖期のことで、熱帯太平洋でおよそ5年ごとに発生する。これは世界中の気象システムに影響を与え、洪水や干ばつなどの異常気象をもたらす。
太平洋諸島では、このエルニーニョにより干ばつに見舞われている国もあれば、平年以上の降雨量により干ばつが和らいだ国もある。乾燥した天候は、ラロトンガを含む南部地域全体に影響を及ぼしているという。フィジーでは、ナンディの12月の降雨量は平年の3分の1以下、スバの降雨量は平年の半分であった。
NIWAの気象学者Noll氏によれば、過去3ヶ月の間、フィジー、トンガ、ニューカレドニア、クック諸島南部、ワリス・フツナが最も乾燥しており、他の太平洋諸国は例年以下の降水量だった。その一方、嘗て干ばつが続いていたキリバスなど赤道直下の島々では、現在は平年を上回る降雨量だった。
そして、エルニーニョ現象の間、太平洋ではより多くのサイクロンが発生すると予測されている。これまでのところ、今シーズンは3つの熱帯低気圧が発生しており、サイクロンシーズンが到来する前の10月には猛烈な熱帯低気圧ローラが発生した。Noll氏は、エルニーニョの状態は少なくとも5月までは続くと予想しており、太平洋諸島はより多くのサイクロンに備えることが非常に重要であると述べている。(Radio New Zealand/JAN08)
https://www.rnz.co.nz/international/pacific-news/506257/el-nino-bites-in-the-pacific