南太平洋防衛大臣会合(SPDMM)は12月7日、市民保護と災害軽減、違法漁業との闘いに明確に焦点を当てた地域幹部を養成するための地域太平洋軍事アカデミーの創設を決議し、閉幕した。
今回の会議には、SPDMMのメンバーであるフランス、オーストラリア、ニュージーランド、チリ、パプアニューギニア、フィジー、トンガが参加し、米国、日本、英国からはオブザーバー代表団が参加した。
7日にLucornu仏国防相が記者会見で発表した決議事項の中には、近隣の太平洋島嶼国から毎年最大240名の軍人が参加する地域訓練センターをヌメアに設置するという提案が含まれていることを明らかにした。また、今後6年間で、ニューカレドニアとフランス領ポリネシアを含む太平洋地域のフランス軍に約50億ユーロ(54億米ドル)の予算が投入され、インフラ整備に重点が置かれることも発表された。SPDMMは、広大な地域における違法漁業との戦いや、自然災害に見舞われた太平洋近隣諸国への協調的な支援を提供するだけでなく、特に太平洋北部や、中国とアメリカの対立が激化しているアジアにおいて、「ブロック形成」の傾向が強まる中で、統一戦線を提示することを意図している。会議ではまた、情報共有のさらなる強化や、太平洋島嶼国のニーズに迅速に対応することを目的とした「太平洋介入グループ」の設立に関するオーストラリアの提案も承認された。
その一方で、12月6日、推定1500人の参加者が、ニューカレドニアの「再軍事化」を糾弾するため、ヌメアの中心部でデモ行進を行った。これに対してLucornu大臣は、「独立賛成派であれ反対派であれ、この地域の軍事化を恐れ、戦争よりも平和を望む人々の意見には同意する。しかし、SPDMMでは、違法漁業や 軍事的安全保障について、また、自然災害時の支援などについてだけ話し合われた。」と語った。また、フランスとオーストラリアとの2国間協議も実施され、より関係が強固なものとなったという。2024年のSPDMMはニュージーランドのオークランドで開催される予定である。(Radio New Zealand/DEC8, 2023)