オーストラリアとツバルの間で締結された歴史的な協定は、ソロモン諸島が昨年中国と締結した安全保障協定に続くものだとマッセ―大学の国防・安全保障研究者は指摘する。一方、ツバル政府は「我々のアイデンティティを維持する」ために「あらゆることを行っている」と述べている。
オーストラリア・ツバル・ファレピリ連合条約は、気候変動による避難を余儀なくされているツバルの人々に、オーストラリアに定住するための「特別な移住手段」を認めるものだ。これにより、年間280人が居住、就労、就学のための特別な権利を与えられる。そして、その見返りとして、オーストラリアはツバルの対外安全保障協定に対する拒否権を持つことになる。
前述の研究者Powls博士は、RNZに対し、この協定は「太平洋の原則に反する」と述べた。ツバルが他のいかなる国とも安全保障や防衛に関するパートナーシップや協定を結ぶことを事実上拒否する権利がオーストラリアにあるという事で、太平洋地域主義に反している。」と博士は語った。
一方、ツバルのナタノ首相は、ツバルの支援要請に対するオーストラリアの対応に、感謝していると述べ、我々は、国民に自信を与え、我々の尊厳、文化、伝統、遺産を維持するために、できる限りのことをしている。地球上での自分たちのアイデンティティを維持したいからだ。」と語った。両国は今後数週間かけてこの協定書をまとめる予定である。(Radio New Zealand/NOV14, 2023)