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PACIFIC ISLANDS NEWS [ 太平洋諸島ニュース ]

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深海採鉱は「絶好のチャンス」(クック諸島) 

採鉱会社が、深さ数キロの深海でジャガイモ大の鉱物を採掘できるかどうかを検証するため、クック諸島の海を探査している。モアナ・ミネラルズ社は、クック諸島で5年間の探査ライセンスを獲得した3社のうちの1社であり、このライセンスによりクック諸島の排他的経済水域(EEZ)内の深海を探査することが可能だ。モアナ・ミネラルズを含む3社は、環境に深刻な害を与えることなくノジュール(鉱物の団塊)を採取できるかどうかを調査している。最高経営責任者のSmit氏は、感情的な評価ではなく科学的な評価がなされれば、同社が許可を得られると「かなり確信している」という。

モアナ・ミネラルズ社は今年から探査を開始し、これまでに3回の探査を行った。実際の採掘はまだ何年も先のことだ。Smit氏によれば、詳細な海底マッピングが行なわれており、これまでのところ、発見されたものは科学者の想定と一致しているという。

その一方で、環境チャリティ団体Te Ipukarea SocietyのテクニカルディレクターであるPassfield氏はこうした調査に対して懸念を示している。企業が採掘を許可されるかどうかを決定する際の意思決定プロセスに偏りがあると主張する。企業は独自の環境調査費用を負担し、クック諸島政府は深海採掘によって財政的な利益を得るという構図が前提としてあるからだ。採掘が行われた場合、企業は1トンの採掘につき3%のロイヤリティをクック諸島に支払う契約となっており、クック諸島は雇用の創出と税金の恩恵を受ける。約1ヶ月前、スバの南太平洋大学で講演したクック諸島のブラウン首相は、Covid-19によって観光業に依存する同国が「高所得国から無所得国」へと転落したと語った。そして「この産業は、経済の多様化に役立つだけでなく、経済的な回復力をつけるためにも注目している産業です」と述べている。(Radio New Zealand/SEP21, 2023)

https://www.rnz.co.nz/international/pacific-news/498386/deep-sea-mining-great-opportunity-for-cook-islands-exploration-company