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PACIFIC ISLANDS NEWS [ 太平洋諸島ニュース ]

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子どもの健康への大規模介入開始(マーシャル諸島)

マーシャル諸島は、親が幼児の健康を改善するのを支援するための大規模介入を展開している。子どもたちの栄養失調や発育不良は、長年にわたって懸念されてきた。2017年にユニセフとマーシャル諸島保健福祉省が共同で実施した調査では、生後数カ月から5歳までの子どもの30%以上に深刻な栄養失調と発育不良があることが報告された。特に都心部での栄養不良問題は、1980年代後半から報告されてきていた。これは、マーシャルの人々が地元の食材を食べたり従来の食習慣に従わずに、西洋の輸入食品を食生活に取り入れるようになったことが原因とみられている。今回初めて、親が幼児の健康を改善するための政府による大規模介入が開始され、5年の歳月をかけた幼児教育(ECD:early child education)プログラムは、今月の開始に向けて準備を進めており、年明けには母親への現金給付プログラムも試験的に実施される予定だ。ECDプログラムは、マーシャル諸島における世界銀行の資金提供による最大の取り組みの一つで、5年間のプログラムには3,000万ドルが承認されている。このプログラムの主要な部分は、0歳から5歳までの幼児の母親にECDデビットカードを提供する900万ドルのプログラムで、栄養状態の改善、子供への良い刺激、予防接種や診療所の検診など、子供に関するニーズを促進することが期待されている。ECDプロジェクト・マネージャーStansbery氏らは先週、商工会議所にこのプログラム展開に関して説明した。初年度はMajuroとEbeyeの母親100人を対象にECDデビットカードプログラムを試験的に実施し、その後も拡大を続け、5年間のプログラム期間中に中心部と離島で4000人の母親を対象とすることを目標としていると述べた。このプログラムでは、母親一人一人に月30ドルという比較的少額の資金が提供される予定だ。現金給付プログラムについては財務省とマーシャル諸島銀行との間で調整されており、プログラムに登録した女性は、プログラム用の銀行口座を開設する必要がある。現金給付のパイロットプロジェクトは、早ければ今年の8月にも始まる可能性がある。このプログラムは、栄養だけでなく、乳幼児への教育等を改善するために母親と協力する、より幅広いプログラムの中に統合されているという。Stansbery氏は、栄養と精神的な刺激の不足が脳の発達に悪影響を及ぼすことは、現在医学的に証明されている事実であると指摘した。5月10日、11日にはマジュロの国際会議場でECDフォーラムを開催し、このプログラムを正式に展開する予定だ。このプログラムは、2017年のハイネ大統領の任期中に、マーシャル諸島の幼い子どもたちの栄養失調と教育ニーズに焦点を当てるために世界銀行のパートナーシップを求め、最初に構想されたものである。(Radio New Zealand/May03, 2022)
https://www.rnz.co.nz/international/pacific-news/466341/marshalls-launches-big-child-health-intervention