ニュージーランドに拠点を置く企業が、生活習慣病が問題となっている太平洋諸島の国々に糖分を多く含む飲料を輸出して大きな利益を上げている。こうした飲料の太平洋諸島への輸出は年間3万9千トンに上るという。一方報道によれば、ニュージーランドの納税者は太平洋諸島の増加する医療費を間接的に払っていることになる。
太平洋諸島の最大の死因は食事に関連した慢性疾患によるもので、2型糖尿病の割合(47%)と肥満(75%)の割合は世界で最も高い。糖分を多く含んだ飲み物が糖尿病や肥満の原因であることは以前から言われていることで、アメリカ、フランス、ニュージーランドは太平洋諸島へのこうした飲料の輸出で15億ドルもの利益を上げてきたという。太平洋諸島が法規制が緩く、人々の認識がまだ低いことに付けこんで輸出していると非難する人々もいる。
こうした輸出に対しては、太平洋諸島側が健康的でない食品や飲料に高い関税をかけることで防ぐこともできるが、貿易協定などの法律も絡んで事は単純ではないという。ただ、太平洋諸島の国々もこの問題に取り組みつつあり、21か国中14か国は砂糖に関税をかけている。(Radio New Zealand/MAY27, 2021)
https://www.rnz.co.nz/international/pacific-news/443490/nz-based-companies-profit-from-sugary-drink-exports-to-pacific
太平洋地域
【経済・社会動向】
ニュージーランド企業 糖分を多く含む飲み物の輸出で利益を上げる(太平洋諸島)
2021.05.28