コロナウィルス感染拡大を受けて、フィジーではより多くの人々が自給のために作物を作り始めている。人々は瀬戸際までにきているが、大変な状況は時としてイノベーションに結びつく。
慈善団体は国の貧困を改善しようと、人々が身につけている技術を用いて何とかしようと努力することを支援している。コロナウィルス感染拡大で観光業が立ち行かない中、こうした活動は重要だ。観光産業の打撃により、15万人が失業したという。さらに、熱帯サイクロンや洪水が状況を悪化させた。慈善団体のFRIENDは特に、栄養失調や糖尿病などに対応するためと人々が生きていくための作物を育てることにここ数か月力を入れている。かつて観光業が盛んだった時には国の収入の4割を観光産業が担い、多くの人々は土を耕す必要が無かった。しかし、現在、家族が十分に食べられるように根菜類を植える人が多くいる。FRIENDの代表は、「我々は基本的には伝統的なレシピを伝えようとしている。またその一方で健康維持についても働きかけている。」と述べた。一家の大黒柱が職を失い、土地がある人々は野菜などを植え始めているという。このような厳しい状況下、家族が一致団結し、人々の間に種の交換などの機会を生むこととなっている。タピオカやキャッサバは豊富にある。それらに付加価値を加えて、そこから粉を取ったり、即席めんにしたり、ビスケットを作ったりと、様々な種類のものができるように支援しているという。人々は慈善団体の助けを借りて伝統的でないけれど早く成長する作物例えばマッシュルームなども栽培している。マッシュルームは早く成長し、場所も取らず、人々はとても喜んでいるという。厳しい状況下、目にするのは更なるイノベーションだ。技術を持つ人々は農業におけるイノベーションに取り組み、小規模の会社がたくさんできている。人々は預金を取り崩しての生活で排水の陣にいるが、強くたくましい。(Radio New Zealand/APR18, 2021)
https://www.rnz.co.nz/national/programmes/countrylife/audio/2018792817/just-kai-fiji
フィジー
【経済・社会動向】
コロナ危機に対応する食料生産(フィジー)
2021.04.30