太平洋地域最大の開発銀行がこの地域は成長路線に戻るとの予測を示唆している。アジア開発銀行(ADB)はこの地域の経済が2020年はCovid-19の影響で5.8%縮小したが、今年末までには成長に転ずると予想している。ADBは観光産業や建設業などは不透明としながらも、1.4%の成長を見込んでいるが、ADBのエコノミストであるRabanal氏は、全ての国が成長に転ずるわけではなく、まだリスクを抱える国々も依然としてあり、この成長は、ワクチン接種の進度と安全なトラベルバブルの設定に影響を受けるとしている。最新のADBによる「アジア開発概要(ADO)」の中で、全体的には成長に転ずるものの、この地域の国の半数は今年は経済の縮小を経験するとしている。Rabanal氏は、それらの国としてクック諸島、パラオ、サモア、トンガ、マーシャル諸島およびミクロネシア連邦をあげている。また、この地域の最大経済国であるPNGの今年の成長は2.5%、2022年の成長は3%と見込まれている。この地域第2の経済規模のフィジーは現在Covid-19の感染拡大に見舞われており、去年は未だかつてない19%の落ち込みを記録したが、今年の成長は2%を予想している。いずれにせよ、ワクチン接種プログラムが経済の回復に大変重要であることが浮き彫りになっている。ワクチン接種が大多数に実施されれば、トラベルバブルを設定することも可能になり、国境を再度開くことができ、経済回復にとって刺激となる。エネルギー分野、輸送、水供給、衛生など様々な分野の優先事項がまだ残っている。特に健康システムはこの地域において特に強化されなければならない分野だ。ADBのこの地域でのメンバーは、クック諸島、ミクロネシア、フィジー、キリバス、マーシャル諸島、ナウル、ニウエ、パラオ、パプアニューギニア、サモア、ソロモン諸島、ツバル、バヌアツ、トンガだ。(Radio New Zealand/MAY1, 2021)
https://www.rnz.co.nz/international/pacific-news/441554/adb-tips-pacific-return-to-growth-in-2021
太平洋地域
【経済・社会動向】
アジア開発銀行が2021年の成長を示唆(太平洋諸島)
2021.05.07