フィジーの船員派遣会社が人身売買との訴えを多数受け、フィリピン政府から人材派遣業免許の停止を言い渡された。20名のフィリピン人船員が虐待や支払いの遅れなどで訴えを起こしている。フィジー警察はGoundar Shipping 社を人権侵害の疑いで調査している。フィリピン政府は先週、船員派遣会社のAble Maritime Agencyの免許を停止した。これら人材派遣業は船舶の乗組員管理の仕事を請け負っており、これらには、派遣、募集、選別、運用、スケジュール、トレーニングから船上の船員の管理などまですべて契約に含まれている。船員たちは2020年にGoundar Shipping社保有の船舶で労働するために最大12か月の契約をして配置されたがそのまま放置されていた。にもかかわらず、Able Maritime Agencyは彼らに何の情報も与えず、報告もせずにいたことから、人材を雇う免許も停止された。一方、カナダの船員組合はフィジーのGrounder Shipping 社は外国籍船員の人権侵害をしていることから関係を断つようにそれぞれの雇い主に訴えている。組合によれば、Grounder Shipping社では、虐待、搾取、危険な環境に加えて人身売買や奴隷労働も横行しているという。カナダのBCフェリー社はGrounder Shipping社との取引は受け入れられないとしている。フィリピン人船員は契約ではそれなりの賃金を提示されていたが、いざフィジーに着くとその6割から7割の金額で労働させられ、奴隷並みの扱いを受け、フィリピンに戻れない状態であるという。つまり、労働者は海上で捕虜のような状態でいたこととなる。フィジー警察が事態を明るみにすることが期待されているが、もしもフィジー政府が何も措置をとらない場合はフィジーでの裁判の可能性もありうる。フィリピン政府が現状を世界に対してもっと訴える必要もある。これら人権侵害、強制労働、人身売買等の訴えに対して、当事者であるGrounder Shipping社は黙秘を通している。.(Radio New Zealand/MAR25, 2021)
https://www.rnz.co.nz/international/pacific-news/439101/agent-of-stranded-seafarers-in-fiji-gets-licence-suspended
フィジー
【経済・社会動向】
船員エージェントの免許が停止となる(フィジー)
2021.03.26