太平洋諸島フォーラムからのミクロネシア地域脱退の中心的人物は、この動きは太平洋地域を活性化する良い機会となると述べた。今月初めに、太平洋諸島フォーラムの事務局長にクック諸島元首相であるヘンリー・プナ氏が選出され、マーシャル諸島の外交官であるザキオス氏はそのポジションに就くことが見送られた。事務局長は輪番制で北太平洋地域の代表に回ってくると信じていたミクロネシア地域のリーダー達は、明文化されいない紳士協定を主張して譲らなかった。太平洋諸島フォーラムにミクロネシアの国々が参加して以来の8期の間、キリバスだけがその役割についただけだからだ。ザキオス氏は、選挙の過程だけでなく、全てのメンバー国が平等であるという、構造的な問題についての改革が必要であると述べ、太平洋諸島フォーラムが言うところの地域主義は大きな欠点があり、ミクロネシアは、小さな島々として扱われ十分な注意が払われてこなかったとした。また、ザキオス氏は、「フォーラム内での改革は引き続き検証される必要があるが、こうした検証には政治的な意思が必要だ。構造的な改革が必要と思われる組織で自分たちの主張や役割が通らなかったりわからなかったりすれば、ある時点からその組織との関係継続は難しくなる。」と述べ、ミクロネシアはこの地域に関与し続け主張が一枚岩になるようなプラットフォームを構築したいとしている。一方、アメリカ大使としてフィジー、キリバス、ナウル、トンガ、ツバルを担当したMcGann氏は、多国間組織にはいつも変革や改革の機会があると述べ、輪番制でリーダーを指名することがなぜできないのかという事を話し合う事があってもよかったのかもしれないと述べた。ニューヨークのコーネル大学Finin氏は、ミクロネシアのリーダーが感じたような隅に追いやられた感に打ち勝つためにも、現在のように6年の任期ではなく、3年ごとに事務局長を輪番制で決めるなどの、正式な選出方法を決めるのも一案であるとし、また別の方法として、毎年の地域全体の太平洋リーダー会議を開催するのも考えられるとした。ニュージーランド マッセイ大学の防衛センターおよび防衛学のPowles氏は、多国籍主義と地域主義は太平洋地域の中核をなしていたが、今回のミクロネシアの脱退でそれが消滅してしまったようだと述べた。ザキオス氏は、新たな地域的な組織を形成する際にミクロネシアが中心的な役割を担うべきだと主張している。ただし、ミクロネシアの国々は地域の漁業、環境などに関する政府間組織からは抜けずにメンバーでいるという。ミクロネシア諸国のフォーラム脱退はパプアニューギニア、サモアなどの国々には影響を与えており、事実これらの国の首相は事務局長の役割は輪番制でバランスを保つべきだと主張している。ミクロネシアがフォーラムに復帰するのかどうか、今後見守る必要がある。(Radio New Zealand/FEB25, 2021)
https://www.rnz.co.nz/international/pacific-news/437195/what-next-for-pacific-regionalism
太平洋地域
【経済・社会動向】
地域主義の次に来るもの(太平洋諸島)
2021.02.26