マーシャル諸島資源局(MIMRA)は8年連続増加をしてきた商業マグロ漁の収益が今年は初めて減少に転じると予測している。現在マーシャル諸島政府は年の歳入合計の10%から15%に当たる3000万ドルをこの漁業収益からの予算として計上しているが、2020年の歳入については400から600万ドル減少するという。MIMRAのJoseph局長によれば、ナウル協定のVessel Day Scheme(VDS)、これは操業する漁船の数に関わらず、操業日の合計による管理を行う方式だが、これによって10年前からマーシャル諸島の収益はうなぎのぼりに上昇したという。2012年にはVDSにより290万ドル、翌年は770万ドル、去年は2810万ドルと2012年の約10倍の収益があった。しかし2020年はコロナフィルスと港湾のロックダウンの影響でマジュロ港におけるマグロの積み替え作業が60%減少。そして、より大きな収入源とされていたVDSの下での漁業日数の購入が減少したことで痛手を受けている。世界市場におけるマグロ価格の値下がりの影響を受けて、今年の初め、世界巻き網漁業機関はこの地域におけるVDS漁業日数を減らすことで合意していた。結果として、マーシャル諸島のVDS操業日の販売が通常であれば年初に売れるはずが700日分売れ残ってしまっているという状態だった。また、MIMRAの割り当てはVDS参加機関の中では比較的少ない割り当てで約3000日だ。このVDS一日の収入が約8000ドルであるところ、MIMRAは需要が高かったために比較的高い収入を数年間は得ていた。Joseph局長はMIMRAの今年の収益は減少しても、今後2021年の持ち分を販売していくという。VDSの長所は漁業日をプールしたり、ほかの団体とやり取りしたりできることだという。コロナウィルスにより漁業を取りまく環境も変化し、MIMRAは2021年の漁業日の販売については新たなアプローチで実施している。継続的に2021年の漁業日の一部分をプールし、このプールした日には複数の漁業海域で操業できるので最高値で売れると予測している。2020年の損失は400万ドルから600万ドルだとJoseph局長は試算する。
(Radio New Zealand/DEC24, 2020)
https://www.rnz.co.nz/international/pacific-news/433528/marshall-islands-fisheries-revenue-expected-to-drop-20-percent
マーシャル諸島
【海洋問題】
【経済・社会動向】
漁業収益20%落ち込み(マーシャル諸島)
2020.12.25