世界銀行の最新の報告書によれば、パプアニューギニアの経済は今年以降安定する見込みとのことだ。報告書のタイトルは、「パプアニューギニア経済:ゆっくりと成長するも良い展望」で、2019年にはGDPの成長率が5パーセント近くになると予測している。これは採掘産業の完全操業を前提としている。インフレは落ち着く見通しでKina高(PNGの通貨単位)になるとのことだ。採掘産業以外においても、成長が見込まれるという。農業の生産高は今年増産となり、貿易と輸送産業は、2019年の採掘産業の生産高増加を受けて利益が上昇する見込みだ。
しかしながら、報告書ではPNGの経済の多様化の必要性が強調されている。この報告書におけるPNG経済の全体像で特筆すべきは中規模のビジネス層の欠如だ。90%以上の民間企業が小規模経営である。世界銀行は、もしもPNGが貧困をなくして包摂的な成長(社会のすべての人々に恩恵をもたらす経済成長)を望むのであれば、民間の発展努力は非資源経済に焦点が置かれなければならないとしている。
一方、国際的な格付け会社であるStandard & Poors社は、PNGの銀行システムとその経済動向の格付けをネガティブから安定に変更した。S&P社によれば、PNGの銀行システムは悪化しそうにはない状況となったという。PNGの銀行システムはグローバルな基準から言えばいまだリスクは高いとしているが、LNG生産の回復とその他の資源の輸出回復と投資の拡大が相まってGDPを上昇させることが期待されていることも格付け改善の要因だ。(Radio New Zealand/MAY9, 2019)
パプアニューギニア
【経済・社会動向】
経済の見通し安定的と世界銀行の報告(パプアニューギニア)
2019.05.10