昨年オークランドで開催されたPIF首脳会議で決議された「太平洋海洋構想」(The Pacific Oceanscape initiative)は、これまでとられてきた海洋管理制度で最も野心的な構想の一つである。構想では、 EEZとその隙間を埋める公海も含む3,800万km2の海洋を保護管理しようと考えている。太平洋島嶼国の占めるEEZ面積は、世界海洋の約10%を占め、その区域の保護管理は喫緊の重要課題である。きっかけは、現在まで太平洋で最大の海洋資源保護区に指定したキリバスのフェニックス島保護区の管理が成功していることであり、このことで他の島嶼国が刺激を受け、昨年トケラウがEEZ設置を宣言し、30万km2と小さいながらも鮫、海亀、イルカ等の保護に貢献している。また、クック諸島も海洋公園を設定して資源保護に乗り出している。海洋保護管理は海水温上昇、海面上昇対策、珊瑚礁保存に有効な海水酸性化防止対策にも貢献していくものと考えられる。
(Radio Australia/ jan.22, 12)