PNG議会は、先週EUとの暫定パートナーシップ協定を批准し、厳格な衛生基準と漁撈条件付きながら、ゼロ関税でマグロ製品をEUに輸出できる道を開いた。現在PNGマグロ缶詰はRD Tuna, South Seas Tuna Corp, Frabelle PNGの3社で日産約480トン、7,200人を雇用しており、スペイン産より30%安く、EU市場で15%のシェアをもっている。PNG産マグロ缶詰が本格的に参入するとスペインのガルシアにある67缶詰工場が大きな打撃を受け、12,000人が失業の危機に瀕する。PNGは、2年以内に2万人を雇用した大規模な4工場で日産1,330トンのマグロ製品を生産、非課税で欧州市場に輸出を始める計画である。ガルシアはEU本部にPNGとの貿易協定を更新しないよう要請したが、時すでに遅くガルシアのマグロ産業は崩壊の危機にある。ただ、2,009年EUのバロソ委員長がスペインの缶詰業界に生産拠点の分散を勧告しており、マダンの太平洋海洋産業基地に工場を移転するなどの措置がもとめられている。
(Post courier/ June 1, 11)
パプアニューギニア
【農水産開発動向】
マグロ缶詰のEU輸出がスペインで波紋(パプアニューギニア)
2011.06.01