ニュージーランドのマッセイ防衛・安全研究所(the Massey Centre for Defence & Security Studies)の地政学者であるAnna Powles氏は、米国のパリ協定脱退は太平洋における中国の影響力をますます強めると警告している。米国はもはや太平洋島嶼国のパートナーではなく、「気候変動対策は世界のコンセンサスであり、国際的な責任である」と明言している中国がますます太平洋地域に影響力を強めることになる。PIFは、島嶼国は米国の脱退で気候変動対策を真剣に取り組む姿勢を一層鮮明にすることになると述べている。PIF議長であるFSMのクリスチャン大統領は、気候変動の影響をもっとも大きく受ける太平洋島嶼国にとって、パリ協定が気候変動対策の最善の方策であり、気候変動による環境破壊を守る砦であると考えており、気候変動に関する世界的な指導力が危機状態であると述べている。そして、COP23の議長国であるフィジーを支援し、パリ協定同意国と協力して最大の危機にある地球環境を守っていきたいとしている。(RNZI/ June 5, 17)
太平洋地域
【経済・社会動向】
米国のパリ協定脱退は中国の太平洋進出を加速させるか(太平洋地域)
2017.06.21