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PACIFIC ISLANDS NEWS [ 太平洋諸島ニュース ]

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鮫とヱイがCITESリストに掲載される見通し(太平洋地域)

ヨハネスブルグで開催された第17回「絶滅のおそれのある野生動植物の種の国際取引に関する条約」(CITES-Conference to the Convention on International Trade in Endangered Species)締約国会議で、Silky sharks, thresher sharksの3種, mobula rays(devil rays)の9種がAppendix Ⅱに掲載されることになった。Mobula raysについては、フィジーが当初から掲載を主張してきており、太平洋島嶼国全体にとっての勝利であったと、「太平洋地域環境計画」(SPREP)のKosi Latu事務局長が述べている。激減しているこれらの鮫やヱイは地域外の諸国で需要があり、島嶼国の責任ではない。締約国ではないが、クック諸島はこの数週間Penrhyn lagoonで鮫の大量捕獲を行っているが、隣国の豪州およびニュージーランドと同様にCITESの条約に従って捕獲をやめるべきだとの意見が強くなっている。Appendix Ⅱのリストに掲載されている種は直ちに消滅する脅威はないが、国際取引が強力な監視下に置かれない限り消滅の恐れがある。AppendixⅡ掲載の種は原産国の輸出許可および輸入国の輸入許可が必要であるが、輸出入両国ともその取引が種の保護と持続的保存に障害とならず受け入れられるものであると認めることが要件となる。鮫とヱイは島嶼国の文化的象徴(icon)であり、多くのSPREP加盟国ではエコツーリズムを通して経済的に大きく貢献している。今回の新種掲載については何ヵ国かの漁業大国から大反対があったが、出席国の4分の3の賛成投票を得てリスト掲載が承認されたもので、国際会議の中で「太平洋の声」が大きくなってきている証左であるといえる。(Secretariat of the Pacific Regional Environment Program/ Oct.10, 16)