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PACIFIC ISLANDS NEWS [ 太平洋諸島ニュース ]

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PNGや島嶼国援助は都市化に焦点を(太平洋地域)

PIF首脳会議で発表されたマジュロ宣言は広くメディアで報道されたが、それ以外の課題については何ら進展がなかった。島嶼国の都心部周辺居住地域には不法居住者が住みつき、乱雑に入り乱れ醜悪である。区画整理不在の土地、部族間の緊張、治安の悪化、財源のない地方行政府、行政不在の荒れた慣習地など解決すべき問題が多い。どの島嶼国も、AusAIDでさえも都市化問題に取り組んでいない。ADBによると、太平洋地域の2012年平均都市化率は43.5%で、2011年には地域全人口の約20%にあたる203万人が都市部に住んでいる。現在、世界人口の約半分が都市部に居住していて都市化により、社会、経済、環境等に発展がみられ、国の成長のエンジンとなっている。しかし、島嶼国では都市化についての議論が不在である。例えば、ポートモレスビーの推定人口75万人の約半分が不法居住者である。他の島嶼国の都市部でも同じ現象がみられる。どの国も地方において貧困の中暮らすよりも、何とか生きられる都市部での暮らしの方がまだましだと考える不法居住者が増加しており、この問題解決が国の発展にとって大きな課題となっている。ここ数年、豪州は海外援助資金の25%を太平洋島嶼国に供与し、PNGには毎年約4億Aドルをつぎ込んでいる。しかし、ポートモレスビーの治安は世界のワースト3に入り、都市開発が喫緊の課題である。マジュロ宣言は15ヵ国の太平洋島嶼国がリーダーシップを示す形となったが、気候変動と海面上昇に対応する都市部の成長、都市化へのインフラ整備、生計、生活水、荒廃土地等の問題にリーダーシップが及んでいない。この問題を放置すれば、都市部の荒廃が進み成長への大きな阻害要因となろう。

(The Conversation/ Sept.12, 13)