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PACIFIC ISLANDS NEWS [ 太平洋諸島ニュース ]

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ソロモン諸島へサイバーセキュリティ強化と車両提供(オーストラリア)

2025年6月26日、オーストラリアの太平洋地域担当であるConroy大臣は、9月にソロモン諸島で開催される太平洋諸国フォーラム(PIF)首脳会議への支援として$2000万ドルを援助すると発表した。その支援には、数十台の車両、サイバーセキュリティ支援の提供と域内の違法漁業船団を追跡するための航空監視の資金などが含まれている。PIF首脳会議では、気候変動資金やオーストラリアが共同開催を目指す気候変動枠組条約(COP)会議、フィジー首相が提唱する新たな海洋安全保障枠組み、太平洋の外交体制の見直しなど、多様な課題が議論される予定となっている。しかし、2019年にソロモン諸島は中国との外交関係樹立以降、同国との政治的な関係性を急速に強めてきたため、中国による影響力をはかる試金石となるとされる。6月早々、在ソロモン諸島中国大使は、PIF首脳会議での各国首脳の送迎車両27台分の購入費用として、Kologetoa首相代理に$100万ドルの寄付を手渡した。PIF首脳会議での安全面に関して、中国が自国の警察部隊を目立つ箇所に配置すると見込まれているが、オーストラリアはこれを阻止し、太平洋地域の安全保障パートナーとしての地位を強化したいと考えている。オーストラリアは中国の会議への貢献を直接的には批判していないが、Conroy大臣は「太平洋諸国は太平洋主導の機関とプロセスによって最も適切に支援される」と述べている。
生態系と収入源を損壊し、近年最大5億ドルの収入損失をもたらしたとされる地域内の違法漁業に対して、太平洋諸国は懸念を募らせている。こうした太平洋における違法漁業に関する公開データは限られているものの、アナリストは「中国と台湾の船舶がその主な原因である」と指摘している。パプアニューギニア訪問中、Conroy大臣は違法漁業について中国を暗に批判し、これを「害悪」としたうえで、「これを抑止できない国は太平洋諸島の住民の口から食料を奪っている」と述べた。(Radio New Zealand/JUN26, 2025)

https://www.rnz.co.nz/international/pacific-news/565219/australia-to-boost-cyber-security-and-provide-vehicles-for-solomon-islands-pacific-islands-forum