太平洋地域環境プログラム(SPREP)事務局の廃棄物管理アドバイザーであるNolan氏が、サイパン・クラウンプラザ・リゾートで開催された第32回太平洋諸島環境研修シンポジウムにて講演した。太平洋地域のごみ処理資源について発表した同氏は、「太平洋ゴミベルト」に対処するための取組みの緊急性と複雑さを認め、現在進行中のプラスチック条約に関する国際交渉と関連付けて説明した。また、同氏は、「プラスチックごみのパッチを掻き集めて浄化しようとする技術は数多くあり、それを行うことは理にかなっているが、現在、一部の環境団体から反対の声が上がっている」と述べた。科学者や環境保護団体からは、パッチの清掃努力が意図せず形成された海洋生態系を破壊する可能性があると指摘されている。「清掃作業は、大規模な混獲を引き起こし、それに依存するようになった種に危害を及ぼす可能性がある」といわれる中、同氏は「パッチは固まったゴミの島ではなく、海洋循環によって蓄積されるマイクロプラスチックと浮遊ごみの高密度な集積である。その材料の約80%は陸地由来の源から来ており、船舶由来ではない」と説明している。4日間のシンポジウムでは、有害廃棄物、気候変動適応、サイパンやグアムなどの島嶼部が直面するPFAS(ペルフルオロアルキル物質)汚染危機に関するワークショップが開催され、シンポジウムは6月20日に終了予定である。(Radio New Zealand/JUN13, 2025)
https://www.rnz.co.nz/international/pacific-news/563984/saipan-environment-forum-hears-caution-on-pacific-garbage-patch-cleanup
太平洋地域
【環境・気候変動】
サイパン環境フォーラム、太平洋ゴミベルトの清掃について注意喚起(太平洋諸島)
2025.06.24