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PACIFIC ISLANDS NEWS [ 太平洋諸島ニュース ]

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トランプ大統領による強制送還政策の影響(太平洋諸島)

トランプ政権による不法移民の強制送還に対する強硬な措置が太平洋諸国に波紋を広げている。パプアニューギニアからサモアまで、米国から強制送還となる数十人、あるいは数百人の島民の到着は、これらの小島嶼国にとって悪い結果をもたらす可能性が高いと、各国の専門家が警告している。加えて、マーシャル諸島やミクロネシアからの強制退去も、1月20日のトランプ大統領就任以来開始された米国の移民取締り強化により急増すると予想されている。米国移民税関捜査局(ICE)の国外退去者リストによれば、150人以上のトンガ人が間もなく強制送還される可能性があり、50人以上のサモア人も含まれている。さらにこの強制送還者の中には、ギャングや麻薬、暴力行為に染まった島民が少なくない割合で含まれている。また、今年に入ってトランプ大統領がICEに不法滞在外国人の摘発を命じたことにより、米国に合法的に滞在しているにもかかわらずパスポートが失効しているマーシャル諸島人が、また、何年も前の犯罪歴がある人も含め、強制送還の対象となる可能性があるという。2024年1月、マーシャル諸島政府は、強制送還者による暴行、麻薬の流通など、暴力や犯罪に関する懸念の高まりに対処するため、強制送還対策本部を設置したほどである。米国アーカンソー州北西部には、米国最大のマーシャル諸島出身者のコミュニティがあり、スプリングデール地域には推定1万5000人の島民がいる。ICEとスプリングデールの法執行官によるアーカンソー州での一連の取締りにより、マーシャル諸島の人々は不安を募らせている。過去3週間、地域団体が緊急対応に乗り出し、自宅の玄関先でICEの取締官と対面した際の対応についてアドバイスを提供しているという。こうした一連の強制送還政策について、サモアの新聞は、「米国の一部の政府関係者は、国家安全保障と法の支配を守るために厳格な移民管理が必要であると強調すが、他の関係者は、集団退去の余波は影響を受ける人々や米国と太平洋諸島との関係にとって壊滅的なものになりかねないと警告している」と伝えている。マーシャル諸島の人々、ミクロネシア連邦、パラオ共和国の国民は、米国との自由連合協定によりビザなし入国が認められている。米国に長期間居住する多くのマーシャル諸島の人々が直面している問題のひとつは、マーシャル諸島共和国のパスポートが期限切れとなり、移民税関捜査局(ICE)の取締りの状況によっては「不法滞在者」とみなされる可能性があることである。マーシャル諸島在米大使館は、「ICE」宛てに、米国法に基づくマーシャル諸島出身者の米国における法的地位を簡潔に説明した書簡も発行した。(Radio New Zealand/FEB6, 2025)

https://www.rnz.co.nz/international/pacific-news/541092/trump-deportations-roil-pacific-waters