マーシャル諸島は、海洋学者が「地球上で最も素晴らしい場所のひとつ」と評価する同国初の海洋保護区を定めた。最も辺境にある2つの環礁、BikarとBokakを漁業保護区に指定し、約4万8000平方キロメートル(スイスとほぼ同じ面積)を保護下に組み入れた。2023年に現地を訪れたナショナルジオグラフィックの『Pristine Seas』探検隊長Ryan Jenkinson氏は、サンゴ礁が完全に自然のままの姿であると語っていた。マーシャル諸島のハイネ大統領は、同国の経済と文化的なアイデンティティは海洋の健全性に負うところが大きいと述べ、「海洋の恵みを享受し続ける唯一の方法は、海洋を保護することであり、我が国初の海洋保護区を誇りに思う。また、同保護区は、確実に我が国最後の保護指定となるわけではない」と語った。マーシャル諸島海洋資源局の局長であるGlen Joseph氏は「生物多様性の高い地域を守ることは、魚やその他の健全な環境に依存する地域社会に利益をもたらし、私たちの未来は、海を守ることにかかっている」と述べた。ナショナルジオグラフィックのJenkinson氏は、サンゴ礁保護による持続可能性について、「完全に機能しているサンゴ礁があれば、つまり、全ての構成要素が揃っている状態であれば、サンゴ礁の藻類を育てる草食魚がすべて存在し、藻類が育つため、捕食者やその他の生物も増え、サンゴ礁全体が機能する。 それらの魚は大きくなり、繁殖率も高まり、繁殖力もはるかに高くなるため、その地域には、苦境に立たされている地域に生息する魚よりも多くの魚が存在することになる。そして、健康状態の良くないサンゴ礁に比べ、気候変動の影響を回避できる可能性も高くなる。このような完全に無傷のサンゴ礁であれば、たとえ海水が温かくなり、一部が白化して死滅しても、すぐに回復する。サンゴは適応し、進化して回復する能力を持っているが、それはサンゴ礁が完全に機能している場合に限られる」と解説した。(Radio New Zealand/JAN29, 2025)
マーシャル諸島
【環境・気候変動】
4万8000平方キロメートルの海洋保護区を設置(マーシャル諸島)
2025.01.31