バヌアツ
正式国名 | バヌアツ共和国(Republic of Vanuatu) |
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人口 | 292,680人(2018年、世界銀行) |
民族 | メラネシア系99%, ヨーロッパ系他1%(1999年、バヌアツ統計局) |
宗教 | 人口の約83%がキリスト教 |
1人当りGNI | 3,130米ドル(2018年、世界銀行) |
電話の国番号 | (678)+(相手先の番号) |
面積 | 12,190平方キロメートル(新潟県とほぼ同じ大きさ) |
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首都 | ポートビラ(Port Villa) |
主要言語 | ビスラマ語(ピジン英語)、英語、仏語(いずれも公用語) |
政体 | 共和制 |
通貨 | バツ(Vatu) |
バヌアツ共和国はオーストラリアのケアンズの東約1,800kmに位置し、80あまりの島々が南北約1,200kmにわたって広がる群島国。1980年7月、74年間の英国とフランスの共同統治から脱し独立した。国名のバヌアツは「我々の土地」を意味するが、それまではニュー・ヘブリデス島として知られていた。この島々の雰囲気がスコットランドのヘブリデス(Hebrides)と似ていることから、1774年にキャプテン・クックによって命名されたと言う。
バヌアツ共和国の土地面積は12,189平方kmで新潟県とほぼ同じである。2020年現在の総人口は307,649人で、毎年2.5%前後の推移で増加し続けている。首都ポートビラがあるエファテ島の面積は900㎢で佐渡よりやや大きく、ポートビラには総人口の11.7%にあたる35,901人が居住している。ポートビラはバヌアツの空の玄関口で、人々は親しみを込めて短く「ビラ」と呼び、また、バヌアツ最大の島エスプリッツサント島(以下サント島と表記)も「サント」と呼ばれている。
●歴史(第二次世界大戦後)
旧日本軍が隣国のガタルカナル島まで南下したことから、アメリカ軍はエファテ島とサント島に前線基地を置いた。主力基地となった人口1万人ほどのサント島には10万人の兵員が送り込まれたという。1945年の終戦によってアメリカ軍は引き上げたが、1942年5月にアメリカ軍が基地を置いてから約3年間、現地の人々は白人も黒人も差別無く兵役に就いていたのを見てきた。これは英国とフランスの支配に慣れていた人々に独立への希望を植え付けることにもなったが、二国による支配は住民間に複雑な感情を植え付けていた。イギリスが独立を支援する動きを見せる
と、フランスが性急な動きを牽制、一部の住民はバヌアツ人よりフランス人でいることを欲した。第二次大戦の終結後に多くの国が早い時期に独立を達成する中で、バヌアツが二国による特殊な支配から独立したのは1980年になってからであった。
●政治
バヌアツは大統領を元首とする共和制で、行政の実権は首相にある。議会のほかに部族の首長で構成される評議会があり、伝統的な習慣と憲法の問題に関して議会にアドバイスを行う。外交的にはパプアニューギニアやソロモン等のメラネシア諸国との連携強化、非同盟主義、反核運動の推進を掲げている。
内政面では、過去、英国とフランスによる共同統治が行われてきたが、1980年独立し、初代首相には独立運動のリーダーであったウォルター・リニが就任した。近年では2016年から4年間続いた統一運動グループ(RMC)率いるシャーロット・サルワイ政権の任期満了に伴う総選挙が2020年に行われた。この総選挙では政党が乱立していたため一党が議席過半数を確保することができず、野党が連合を組み政権を奪取した。ボブ・ロウマン率いるヴァヌア・アク党(VP)を中心に連立政権が組まれ、政権交代が行われる形となった。
●経済
これまでのバヌアツ経済はタロイモやヤムイモが中心の自給自足農業とコプラの輸出が中心で、恒常的な輸入超過による貿易赤字を外国からの援助で補填してきた。1997年 半 ば よ り ア ジ ア 開 発 銀 行(ADB)とオーストラリアを中心とする援助国の協力の下、大規模な行政・経済改革「包括的改革計画」が実施され、2003年には中期計画「優先課題・行動計画」を策定した。
この結果、2000年代前半の低成長を脱し目覚しい経済成長を遂げ、他の発展途上国の経済開発のモデルとも見なされている。2020年12月には後発開発途上国(LDC)の卒業を宣言し、ポートビラ市内で祝賀パレードが行われた。
人口の70%が全土で自給自足農業を営む状況は基本的に変わらないが、近年、農業の多様化によりココアや牛肉の輸出が増加し、特に牛肉はコプラに次ぐ輸出実績を
挙げている。また、観光産業を中核とするサービス産業の発展と土地開発・建設への投資の増加は好調な経済の牽引役となっている。
その他バヌアツの概要詳細は、当センターガイドブックをご覧ください。
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