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トンガ

概要
正式国名 トンガ王国(Kingdom of Tonga)
人口 103,197人(2018年世界銀行)
民族 ポリネシア系
宗教 キリスト教(プロテスタント、モルモン教、カトリック等)
GDP 5億1,235万米ドル(2019年世界銀行)
通貨 パ・アンガ(T$)
電話の国番号 (676)+(相手先の番号)
面積 720k㎡(2018年世界銀行)
首都 ヌクアロファ(Nuku’alofa)(人口36,045人、2011年国勢調査)
主要言語 トンガ語、英語
政体 立憲君主制
一人当たりGNI 4,300米ドル(2018年世界銀行)
通貨レート 1パ・アンガ=51.30円(2022年2月16日時点)
南太平洋のポリネシアに属するトンガ王国は日付変更線のすぐ西に位置し、経済水域約362,000㎢に無人島を含め大小170余の島々が4つの諸島を構成している。周辺の島々が次々とヨーロッパの列強国の支配下に置かれてきた中で、過去に一度も植民地化されず、現在まで王制が残る唯一の国である。陸地面積の合計は747㎢で日本の奄美大島(712㎢)の大きさに近い。
4つの諸島は南からトンガタプ(Tongatapu)、ハアパイ(Ha’apai)、ババウ(Vava’u)、ニウアス(Niuas)で、政治経済の中心は首都ヌクアロファを擁するトンガタプである。陸地面積260㎢のトンガタプ島の人口は74,454人(2021 年国勢調査)で、総人口の約70%が居住している。 
トンガタプ島の北約275㎞にあるババウ島はトンガの北の玄関として栄えており、中心地であるネイアフの港は「PortofRefuge」の名で世界的に有名で、ヨットマンの憧れの地となっている。また、ババウ島の豊かなサンゴが生息する海は非常に美しく、多くのダイバーを魅了している。

歴史(第二次世界大戦後)

・トゥポウ4世と民主化運動
 1965年のサーロテ女王の崩御により、その長男シャオシ・タウファアハウ・トゥポウラヒがタウファアハウ・トゥポウ4世として王位についた。トゥポウ4世は、直系の第22代トゥイ・カノクポルであると同時に、父トゥンギを通じてトゥイ・ハアタカラウアの血筋を引いており、妻となったハラエバル・マタアホ王妃はトゥイ・トンガの血筋を引いていたことから、その子女たちは複数の王朝による統治となって以来初めて3王朝全ての血統を有したことになる。
 1970年にはトンガはイギリス連邦に加盟し、1900年から続いたイギリスの保護領時代に終止符を打ち独立国となった。1990年代に入ると、国民の間から民主化を望む声が大きくなり、議会にも民主化促進に賛成する動きが見られるようになった。1992年には「民主主義支持運動」の名で政治グループが組織され、議会でも平民に割り当てられた議席の過半数を占めるなど影響力を有するようになっていった一方で、平民総議席数と同数を有する貴族議員により、民主化運動には歯止めがかかっていた。2006年11月にヌクアロファ市街地で発生した暴動騒ぎは、政治体制改革の遅れに抗議した民主化推進派によるデモに端を発し、政治的背景を持たない若者が合流して広がったと伝えられている。

・トゥポウ5世による選挙制度改革
 2006年9月にトゥポウ4世の崩御を受け、その長男がジョージ・トゥポウ5世として即位し、2008年に戴冠式が執り行われた。式典には各国の王室等からも要人が出席し、日本からは皇太子殿下が出席された。トゥポウ5世は国家元首としては留まりつつも、26の国会議席のうち、大幅に平民議員の議席数を増やし17議席とすることを含む、より民主的な選挙制度への改革を承認し、推進した。
 新制度による総選挙が2010年に実施され、トンガが新たな時代を迎えた矢先の2011年、トゥポウ5世は病に倒れ、翌年3月に香港の病院で崩御された。

・トゥポウ6世の即位と戴冠式
 トゥポウ5世は未婚であったため、王位は弟であるトゥポウ6世が引き継いだ。2015年に執り行われた戴冠式には、各国要人が出席し、日本からは皇太子・同妃両殿下が出席された。

政治
トンガは立憲君主国であり、国王の統治の下に国政が行われているが、近年民主化の動きも活発化している。議会は1院制で、貴族内の互選による貴族議員9名と総選挙で各選挙区から選出される平民議員17名の計26名で構成され、任期は4年である。2010年の選挙制度改革までは、首相及び閣僚は全て国王が指名していたが、現在、首相は議員選挙により選出され、閣僚は首相の指名制となっている。2014年の総選挙で選出されたアキリシ・ポヒヴァ首相は、初めて選挙で選出された民間出身の首相で、これまで長年にわたり民主化を推進する政治グループを率いてきており注目された。2019年、同氏が急逝。2021年11月に実施した総選挙でフアカヴァメイリク氏が首相に任命され新内閣が発足した。外交面ではイギリス連邦の一員である一方、南太平洋の域内協力の推進にも熱心であり、また、1998年11月には台湾との関係を終了し中国との外交関係を樹立している。

経済
トンガの産業としては農水産業や観光業があり、政府も外国資本の誘致や民間企業の支援などを通じて経済発展を目指している。貿易ではニュージーランドを筆頭に、オーストラリア、アメリカ、日本等へ農水産品(ココナッツ、カボチャ、マグロ等)を輸出しているが、燃料や食品の輸入額が大幅に輸出額を上回っており、大幅な貿易赤字となっている。トンガ経済は国家レベルでは各国の経済援助に、家庭のレベルでは国外に居住する親族からの仕送りに大きく依存している。また、中国に対する多額の債務の返済計画も大きな課題となっている。

その他トンガについての詳細は、当センターガイドブックでご紹介しています。
外務省のページはこちらから

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