2023年は、人為的な気候変動と自然現象であるエルニーニョの影響により、観測史上最も高温の年であったことが判明した。
EUの気象機関が発表したところによると、昨年の気温は、人類が化石燃料を大量消費し始める前の長期平均より約1.48℃高かった。海面水温もこれまでの最高を更新している。このような地球規模の記録により、世界は気候変動に関する重要な国際目標値を大幅に下回るところまで来ている。
人類が大量の二酸化炭素のなどの温室効果ガスを大気中に放出し続けているため、世界が100年前よりはるかに温暖化していることはよく知られている。しかし、12ヶ月前には、2023年が記録的な暑さになると予想した主要な研究機関はなかった。
この高温化は、長期にわたる人類起因の温暖化に加え、エルニーニョ状態への急激な移行が主な原因である。エルニーニョは東太平洋の海面温度が上昇し、大気中に熱を放出する現象である。
加えて、2023 年の気温上昇のもうひとつの特筆すべき点は、その影響がほぼ全世界に及んだことである。この記録的高温化は、カナダやアメリカでの猛暑や山火事、アフリカ東部での長引く干ばつや洪水など、2023年に世界の広範囲で、さまざまな異常気象を引き起こす一因となった。実際、BBCが気象情報機関「コペルニクス気候変動サービス」のデータを分析したところ、2023年5月4日以来、世界の海面は記録的な高温を記録し続けている。
約200カ国が2015年にパリで、地球温暖化の最悪の影響を避けるため、温暖化を1.5℃に抑えることに合意した。そして、暑い年が続くたびに、世界は長期的に1.5℃の壁を越えようとしている。こうした高温化に関する最新の警告は、COP28気候サミットが開催された直後に出され、気温上昇の主な原因である化石燃料の問題に取り組む必要性について、各国が初めて合意した。「たとえ1.5℃という目標が達成されない可能性が高いとしても、気候変動の影響を抑えるために、こうした取り組みは重要な変化をもたらす可能性がある」と研究者たちは言う。(Radio New Zealand/JAN10, 2024)
https://www.rnz.co.nz/news/world/506416/2023-confirmed-as-world-s-hottest-year-on-record