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PACIFIC ISLANDS NEWS [ 太平洋諸島ニュース ]

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債務が懸念事項に(太平洋諸島)

オーストラリアのLowy研究所が発表た報告書は、太平洋地域における開発資金の債務に対する懸念の高まりを強調している。先月発表された「太平洋支援マップ」の第7版では、2008年から2022年までの公的開発資金(ODF)を調査し、37,000件以上のプロジェクトに関するデータを掲載しているが、そこで懸念事項として挙げられているのは、太平洋諸島において融資の利用が増えていることによる負債の問題だ。報告書によれば「太平洋地域におけるインフラ整備資金の約60パーセントが融資によって賄われている」という。この融資の75パーセントは、PNGやフィジーといった地域最大の経済国に割り当てられているものの、残りの25%は小規模経済国に割り当てられており、その大半はすでに高い債務リスクに直面している。オーストラリアは依然としてこの地域最大のドナーであり、太平洋地域へのODF総額は2019年の水準を上回っている。中国は、この地域における二国間ドナーとしては米国を僅差で追い抜き第2位に返り咲いた。報告書によれば、太平洋地域における開発支援の見通しは不透明で、全体として、パンデミックによるODFの急増が3年間続いたにもかかわらず、太平洋地域における開発支援は「ますます不十分」となり、「高まる地域ニーズ、経済の脆弱性及び高まる地政学的な圧力の間で板挟み」になっていると述べている。報告書は、支援国と太平洋諸島諸国の両政府の予算に対する圧力が高まることが予想され、重要な開発成果を確保するためには、少ない予算でより多くの成果を上げることが必要となるとしたうえで、この地域の主要な支援国による開発予算の配分は、ますます地政学上の懸念に左右される傾向が強まっているとしている。(Radio New Zealand/DEC5, 2024)

https://www.rnz.co.nz/international/pacific-news/535760/debt-a-concern-in-report-on-pacific-funding-support