リウマチ性心疾患は、サモアに住む子供たちにとって、主要な健康問題のひとつである。アピアのTupua Tamasese Meaole病院小児科部長のFarah Fatupaito博士は、過密な学校と認識不足が要因であると指摘する。さらに、多くの親は初期症状を見落としがちで、関節痛を軽い怪我と勘違いしていることが多いと彼女は言う。そのため、病院に来た時にはかなり病状が進んでおり、重度の症状になっているという。その結果、これらの子供たちがようやく医療の助けを得た時には、緊急治療を必要とする深刻な状態であることが多くあり、そのため医療費も高額になってしまう。高額な医療費を避けるため、患者をニュージーランドではなくインドやフィジーに送るという選択をする家族が増えている。Fatupaito氏によれば、例えば心臓病の場合、インドでは7000米ドルで済むが、ニュージーランドでは1万5000米ドルほどかかるという。インドで治療や手術を受ける費用はとても安く、政府が保護者や親の付き添い費用を負担してくれる。こうした課題に対処するため、サモアは患者の経過観察を改善するデジタル健康記録システム「Manu」アプリを導入した。また、Fatupaito氏は、若い医師を訓練し、帰国を促すことで、サモアは外国の医療システムへの依存度を減らすことができると述べる。そして、「私たちは限られた資源で最善を尽くし、医師たちに訓練を受けに行ってもらい、帰国後は訓練を受けた国にとどまるのではなく、自国民を助けるために帰国してもらうように努力している」と語った。(Radio New Zealand/NOV28, 2024)
サモア
【経済・社会動向】
より低額な医療を求めてインドへ(サモア)
2024.12.03