COPとは何か:気候変動枠組条約(UNFCCC)に加盟する各国は、年に一度、締約国会議に集まり、気候変動への共同対応策について協議し、進捗状況を評価する。同会議をCOPという。最初のCOP会議は1995年3月にドイツのベルリンで開催され、UNFCCCは、1992年6月にブラジルのリオデジャネイロで開催された「地球サミット」として知られる国連環境開発会議(UNCED)から生まれた条約で、温室効果ガスの濃度を「気候系に対して危険な人為的干渉を及ぼすこととならない水準において安定化させる」ことを目的としている。次回COPはいつどこで開催されるのか:COP29は11月11日から22日まで、アゼルバイジャンの首都バクーで開催される。前回のCOPでは何が起こったのか:2023年、COP28はアラブ首長国連邦のドバイで開催され、約10万人が参加した史上最大のCOPとなった。化石燃料が非難の的となり、2030年までに世界中で再生可能エネルギーの容量を3倍に増やすこと、石炭の使用削減に向けた取り組みを加速すること、脱炭素化が難しい産業のクリーン化を可能にする炭素回収・貯留などの技術を促進することなどが呼びかけられた。しかし明確な段階的廃止等の策が盛り込まれなかったため、太平洋諸島フォーラム事務局長(当時)のヘンリー・プナ氏は、「COP28は地域が必要とする成果をもたらさなかった」と評価した。一方サウジアラビア主導のOPECは、「特定の燃料を避けなくても、世界は排出量を削減できる」と主張した。太平洋諸島にとってのCOPの意味:太平洋諸島は、COPを環境変化を訴える場としてだけでなく、適応を支援するための財政支援を求めるプラットフォームとして活用する傾向にある。特に今回のCOP29について、太平洋共同体(SPC)の広報担当であるニウエのPasisi氏は、「気候変動対策の資金調達に関する新たな数値目標(NCQG)について合意に達することが極めて重要で、まさにCOP29は資金調達に関するCOPである」と述べている。(Radio New Zealand/NOV08, 2024)
太平洋地域
【環境・気候変動】
アゼルバイジャンCOP29について知っておくべきこと(太平洋諸島)
2024.11.08