中国と米国の間の地政学的な緊張の高まりが、外国への偏見を煽るような暴言を助長していると、太平洋地域の地政学に詳しい専門家が指摘している。フィジーのランブカ首相は10月18日から19日にかけてニュージーランドを訪問し、ルクソーン首相と会談後に、フィジー・デーの祝賀会に出席した。その際にアジア系ニュージーランド人の男性が警護に当たっていたのだが、この警護担当者と一緒に写真に写っていたランブカ氏に対して、太平洋地域で著名なジャーナリストがThe Pacific Newsroom のFacebookページにこれらの写真を投稿し、ランブカ首相は「中国人の私設警備員」に護衛されていたと主張したのだ。このFacebookの投稿に対しては、様々な反応があり、中には人種差別的な内容も含まれていたという。最終的には、ニュージーランドのフィジー高等弁務団が10月21日に、「警備要員であった2人のニュージーランド人の写真について、一部のメディアが人種差別的な表現に訴えたことは残念である。話題となっている2人の男性は、ニュージーランド社会のあらゆる層から構成された大規模な警備チームの一員であった」と異例の声明を発表した。マッセー大学の国防・安全保障研究センターの准教授であるPowles博士は、ソーシャルメディア上で分断が深まっていること、これは地政学的な環境が影響している事、そしてSNS上での論評に関しては事実確認の必要性が高まっていると述べた。(Radio New Zealand/OCT23, 2024)

https://www.rnz.co.nz/international/pacific-news/531534/playing-loose-with-the-truth-fact-checking-key-in-pacific-s-heightened-geopolitical-landscape