9月24日に発表されたアジア開発銀行の「アジア開発予測」によると、アジアの発展途上地域の2024年の成長予測は5%にわずかに上方修正され、2025年は4.9%に維持される。太平洋地域の成長予測は、観光客の増加を要因として3.4%に上方修正された。「発展途上アジア」地域には、アジア開発銀行の46の加盟国が含まれ、その中には太平洋諸国の14カ国、すなわちクック諸島、フィジー、キリバス、マーシャル諸島、ミクロネシア連邦、ナウル、ニウエ、パラオ、パプアニューギニア、サモア、ソロモン諸島、トンガ、ツバル、バヌアツが含まれる。太平洋地域は2024年に3.4%、2025年に4.1%の成長が見込まれているが、「財政の余力は限られており、高い債務負担が引き続き圧迫要因となっている」と報告書は述べている。太平洋地域の経済見通しは主に地域全体のGDPの9割を占めるとされているPNGとフィジーによって決定される。PNGの成長率は、2024年と2025年の両方で、主に資源産業の生産減により、4月に予測された数値より若干下回る可能性が高い。しかし、これはフィジーをはじめとする他の経済圏の予想を上回る成長により、十分に相殺される。フィジーでは、観光客の到着数が予想を上回り、政府財政支出が予測を上回ている。報告書によると、クック諸島、キリバス、ナウル、サモア、ソロモン諸島の成長率は4月時点の予測よりも高くなると予測されている。クック諸島では観光業が成長率を押し上げ、キリバスでは公務員の賃上げが国内需要に予測を大幅に上回る影響を与えている。アジア開発銀行は、自然災害や労働力不足など、この地域における今後の成長への課題は依然として残っているとし、太平洋地域は限られた国家財政と多額の債務による財政難という課題に直面していると指摘した。現在、太平洋地域の14の開発途上加盟国のうち、キリバス、マーシャル諸島、パプアニューギニア、サモア、トンガ、ツバル、バヌアツの7カ国が重度の債務過多のリスクにさらされているとアジア開発銀行の報告書は述べている。残りの7カ国は中程度のリスクにさらされている。クック諸島、フィジー、ミクロネシア連邦、ナウル、ニウエ、パラオ、ソロモン諸島である。このような状況下において、アジア開発銀行はマーシャル諸島共和国と5,250万米ドルの無償資金協力協定を締結し、マジュロとエバイエの都市サービス改善を支援することとなった。(Radio New Zealand/SEP26, 2024)
太平洋地域
【経済・社会動向】
観光客の増加が太平洋地域の経済成長を促進 – ADB (太平洋諸島)
2024.10.01