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PACIFIC ISLANDS NEWS [ 太平洋諸島ニュース ]

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季節労働者雇用主制度(RSE)の変更:雇用側は勝利、労働者は敗北(太平洋諸島)

ニュージーランドの連立政権が最近季節労働者雇用主制度(RSE)を変更したことは、RSE雇用主、業界団体、政府関係者、太平洋諸国の代表者、その他の主要な利害関係者が多数参加した今年の年次RSE会議で大きな話題ととなった。今回の変更は雇用主や業界団体がロビー活動を行ってきた主な成果であり、参加コストの削減につながるものとなる。17年間にわたって運用されてきたRSEスキームは、依然として小規模な生産者が中心となって担っており、2024年には179人の雇用主のうち62%がそれぞれ50人未満の労働者を雇用しており、その半数は20人未満の労働者を雇用している。多くの小規模な生産者にとって、特にパンデミックの影響により、雇用コストの上昇と利益率の低下により、RSEへの参加は持続不可能になる可能性がある。太平洋諸国出身労働者にとって、手取り賃金に直接影響する3つの変更が認められた。①雇用主がRSE労働者全員に最低賃金の10%増しを支払うという要件の撤廃、②週30時間分の支払い保証の撤廃 ③労働者の宿泊費の凍結解除 の3項目だ。9月以降、最低賃金に10%上乗せする手当は、3シーズン目以降のRSE労働者にのみ適用されることになった。ニュージーランドが歴史的にRSE制度をオーストラリアの太平洋諸島労働者移動計画(PALM)と差別化しようとしてきた方法のひとつは、オーストラリアでは賃金が高く支払われている一方で、ニュージーランドには雇用者と被雇用者の強固な関係、高い水準のケア、そして強力な労働者保護制度がある、という主張だった。しかし現在、オーストラリアでは、高い賃金とより良い労働者保護の両方が提供されている。例えば、PALMの雇用主が任意の週に20時間の労働を提供できない場合、雇用主は労働者の宿泊費と交通費を負担しなければならず、これらの費用は労働者から回収することはできないとなっている。他方RSE制度には同様の保護措置はなく、さらに、宿泊費の凍結が解除されたことで、労働者は毎週家賃を多く支払うことになる。今回決定された3つの変更において、最も懸念されるのは、変更により最も影響を受けることになる人材を供給する太平洋諸国との協議が欠如していることである。ニュージーランドと太平洋諸国の双方に利益をもたらし、重要な二国間および地域関係を維持するためには、定期的にオープンな対話を行う必要がある。(Radio New Zealand/SEP26, 2024)

https://www.rnz.co.nz/international/pacific-news/529135/rse-changes-employers-win-pacific-workers-lose