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PACIFIC ISLANDS NEWS [ 太平洋諸島ニュース ]

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太平洋諸島における出稼ぎ制度の社会的影響について、より深く理解する必要性(太平洋諸島)

ユニセフの報告書『取り残された子供たちへの太平洋地域出稼ぎ労働制度の影響(The Impact of Pacific Labour Mobility Schemes on Children Left Behind)』は、出稼ぎ労働制度が時に家族間の不和を生み出し、夫婦関係の破綻につながる可能性があることを発表した。報告書によると太平洋諸島地域の女性は、出稼ぎ労働制度による経済的利益がある一方で、子育ての負担が重くなっているという。ユニセフ太平洋地域事務所の児童保護責任者であるCopland 氏は、一部のコミュニティでは、労働年齢の男性の多くが出て行ったことで、性別による役割分担に変化が生じており、ポジティブな変化である可能性も認めつつ、残された女性への支援と併せて行う必要があるとしている。この制度により家族関係が崩壊した場合、女性たちに対して、臨機応変な社会保障が必要であることを報告書は示唆している。なぜなら、緊急事態が発生した際には、彼女たちはすぐに自分だけで対応しなければならない状況に置かれる可能性があるからだ。Copland氏は、この制度のリスクをよりよく理解する必要があると述べた。フィジー政府はこの問題に対して、出稼ぎ労働制度への申請用紙の書式を変更し、申請者に、労働者の子供の人数、通学している学校、保護者の氏名、労働者と保護者の関係、保護者の連絡先を記入する欄を設けた。これにより、子供たちがどのように養育されているかを把握できるからだ。またユニセフの報告書では、片親または両親がニュージーランドの季節雇用労働者(RSE)制度や太平洋諸島労働移動計画(PALM)に参加する場合、子供たちは学業成績の低下を含む「情緒的・行動上の問題」を経験することが多いと述べている。制度は経済的な面で家族にもたらすものがある事は確実であるが、同時に社会的な影響もある事を報告書は明らかにした。(Radio New Zealand/SEP17, 2024)

https://www.rnz.co.nz/international/pacific-news/528238/social-impacts-of-pacific-labour-mobility-schemes-need-to-be-better-understood-study