マーシャル諸島は、他の太平洋地域の首脳と同調して日本の原子力廃水処理水の放出を支持することを決定した。昨年8月、日本は2011年の地震と津波でメルトダウンした福島原子力発電所から回収した処理水の放出を開始した。これに対する太平洋の反応はさまざまだった。マーシャル諸島は、この放出に継続的な懸念を抱いており、今回日本で開催された第10回太平洋・島サミット(PALM)でも、米国の核実験による「放射能汚染という独自の負担」を理由に、このことを改めて強調した。しかしながら、ハイネ大統領は先月、他の太平洋諸国とともに、「IAEA(国際原子力機関:原子力の安全性に関する権威)」が放水は安全であると発表したことを承認することを決定した。PIF議長であるクック諸島のブラウン首相は、南太平洋非核地帯条約(ラロトンガ条約とも呼ばれる)の精神に反していないと主張し、「この水は処理され、洗浄され、放射性同位元素はこの水が排出される前に除去されているため、反対はしない」と8月9日に開催された太平洋諸島フォーラム外相会議で述べた。一方、ロンゲラップ環礁の元国会議員であるKenneth Kedi 氏は、「もし放射能がないのなら、なぜ日本で保管しないのか。なぜ太平洋に捨てるのか?」と訴える。同環礁は核実験の影響を最も受けた環礁のひとつである。1954年3月1日に行われたキャッスル・ブラボー(広島に投下されたアメリカの原爆の1000倍の威力があるとされる核実験)による高濃度の放射線の影響を受けたロングラップ環礁では、環礁の人々は放射能のために島を捨てざるを得なくなったという。Kedi氏は、人々はすでに多くの放射線を浴びており、これ以上浴びるリスクを冒す必要はないと語った。(Radio New Zealand/AUG13, 2024)
マーシャル諸島
【経済・社会動向】
福島原発の処理水放出で他の太平洋諸国と協力(マーシャル諸島)
2024.08.16