太平洋諸島フォーラム(PIF)の新事務局長ワンガ氏は、安全保障に関する地域会議に出席した関係者に対し、地政学が地域の平和を乱すことを許してはならないと警告を発した。6月24日にスバで開催された太平洋国家・地域安全保障会議で、ワンガ事務局長は、「地政学的な駆け引きは、海面上昇のために海水が押し寄せ、サイクロンが通り過ぎる太平洋諸島の人々にとっては何の意味もない。」と述べた。そして、「大国」が「私たちの地域」を「彼らの紛争のための舞台」として利用することに警鐘を鳴らした。その上で、ワンガ氏は、PIFは世界各国から21の対話パートナーからの支援に恵まれており、これらのパートナー国はこの地域に関与する上で、常に透明性を保つことを約束しているとした。ワンガ氏は、気候変動は太平洋諸島の人々の平和と安全に対する唯一最大の脅威であることを強調した。そして、「この気候変動が私たちの最重要課題であり、このフォーラム事務局での在任期間中、地域の安全保障に関する私の活動の最重要課題であり続けるだろう」と述べた。ワンガ氏は、気候の安全保障、人間の安全保障、環境の安全保障、サイバーセキュリティ、国際組織犯罪対策に引き続き優先順位を置くとし、特に、サイバーセキュリティとサイバー犯罪に関する『繁栄のための太平洋パートナーシップ』を正式に発足させる予定であると述べた。ワンガ氏は、これらの2つの分野は、現在フォーラム加盟国が重点的に取り組んでいる重要な分野であり、薬物関連の問題や壊滅的なサイバー攻撃の急増という恐ろしい事態に見舞われている国々を支援することを目的としていると述べた。(Radio New Zealand/JUN24, 2024)
太平洋地域
【経済・社会動向】
地政学的政略は太平洋の人々にとって何の意味もない – ワンガ氏(太平洋諸島)
2024.07.01