先月の新政権発足後、ソロモン諸島では中国、オーストラリアなどの外交訪問が相次ぎ、各国はマネレ首相への影響力を競っている。諸外国がナンバーワンの安全保障パートナーという垂涎のタイトルを追い求める一方で、マネレ首相は太平洋島嶼国の経済復興と開発を優先課題としている。また、戦略的にも軍事的にも「どちらかの側につくことを強制されることはない」とも述べている。ソロモン諸島は、米国とその同盟国、そして太平洋地域での影響力を拡大しつつある中国との間の地政学的競争の焦点となっている。5月にマネレ氏が当選してからの数週間で、オーストラリアの副首相兼外相、ニュージーランドの外相、ワシントンのパプアニューギニア大使、中国の太平洋特使、日本の太平洋大使がすべて訪問した。マネレ氏は、前首相ソガバレ氏の下で外相を務めたが、そのソガバレ氏の後任となった。ソガバレ前首相は積極的な親中姿勢をとり、米国や歴代のオーストラリア政府(同国最大の援助国)との関係はぎくしゃくしていた。マネレ氏は中国のBo太平洋島嶼国担当特使会談後の声明で、両国間の「特別な関係」に尽力し、ソロモン諸島は中国から提供された「質の高いインフラに感謝している」と述べた。一方、オーストラリアのウォン外相との会談後、声明は発表されなかった。新首相は、「大国には戦略的、軍事的な利害があるが、我々にとっては開発の利害が第一だ」と5月27日の記者会見で語った。前首相の下で、対中政策を展開した新首相マネレ氏は、大きな政策的な転換はせずに、したたかに政権の長期化を見据えて外交を展開していくことになるようだ。(Radio New Zealand/JUN11, 2024)
ソロモン諸島
【経済・社会動向】
中国とオーストラリア、新首相に魅力的な提案(ソロモン諸島)
2024.06.17