新しいプロジェクトでは、太平洋の既存のデータの不足を補うため、3種類の情報を収集する。New Zealand Geographic(ニュージーランド・ジオグラフィック)とCawthron Institute(コースロン・インスティテュート)は、船員と協力して太平洋の健全性と生物多様性を収集し、これまでよりも大規模なマップ作成を目指す「Citizens of the Sea(海の市民)」を立ち上げた。Cawthron社の Pochon氏は、e-DNA、生物物理センサー、サンゴの3D再構成の技術を有していると語った。Pochon 氏は、このプロジェクトが太平洋地域のコミュニティにとって大きな助けになることを期待していると語った。彼は、船員たちと簡単な方法でデータを共有し、また、この地域の地域社会と関わる機会を設け、「伝統的な知識も現代的な知識も含めて、本当に素晴らしい知識の交換ができるようにする」と語った。彼の専門はe-DNAで、生物が残すDNAの痕跡、つまり遺伝物質を示す。「我々は現在、数リットルの海水からこのe-DNAを捕獲し、研究室で濃縮する能力を持っている。そしてDNAの塩基配列を解読することができる。これをメタ・バーコードと呼ぶ。」とPochon氏は説明する。この過程をPochon氏はスーパーマーケットで食料品をスキャンするのに例え、それにより、気候変動に伴う生物多様性の変化を追跡したり、保全のホットスポットを特定したり、あるいは逆に、気候変動や沿岸域の汚染勾配によってよりストレスを受けている地域を特定することもできると述べた。しかし、太平洋にはまだデータ不足があるという。より多くのデータが必要であり、誰もが本当に理解できる方法でこのデータを紹介する必要があるとして、それを通して海を守るための政策を変えることができるかもしれないと期待を表している。NZ Geographic社の Frankham氏は、ボランティアの船員を市民科学者として起用し、新しい機器を使うことで、データの収集とその分析を切り分けて行うことができると語った。こうした方法で、太平洋という未知の大海原に科学を広げていくことができると語った。(Radio New Zealand/MAY09, 2024)
https://www.rnz.co.nz/international/pacific-news/516404/sailing-meets-science-in-new-pacific-data-gathering-project
太平洋地域
【海洋問題】
太平洋の新しいデータ収集プロジェクトで科学と航海が結びつく(太平洋諸島)
2024.05.13