3月19日、欧州議会開発委員会の議員たちは、賛成13票、反対1票、棄権4票で、EUによるいわゆるサモア協定の締結に同意した。サモア協定とは、EUとアフリカ・カリブ海・太平洋諸国機構(OACPS)加盟国とのパートナーシップに関する協定だ。委員会の同意を与える投票と同時に、欧州議会は協定に関する報告書草案を賛成14票、反対1票、棄権4票で採択した。この報告書では、協定の速やかな実施と、すべての関係国による速やかな署名と批准を呼びかけている。報告書草案では、同協定の下での互恵的な協力のための多くの分野が言及されており、その中には、同地域の未実現再生可能エネルギーの潜在力の活用、署名国間の自由で公正かつ開かれた貿易の促進、自然災害や気候変動への対応に向けた復興力の構築に関する協力などが含まれる。欧州議会議員らは、協定の中で人権の保護と促進が約束されていることを歓迎する一方で、性的指向やジェンダーに基づく差別について明確に言及されていないことには懸念を示しており、協定の全締約国に対し、LGBTIの人々に対する差別や死刑を含む刑罰を廃止するよう求めている。また、EUの知名度や影響力の低下を招いている中国やロシアのような国々との競争を特徴とする厳しい世界的な地政学的状況において、信頼できる同盟国としての地位を強化するためのEUの幅広い取り組みの一環として、この協定の重要性を改めて強調した。協定と報告書に関しては、2024年4月10~11日にブリュッセルで開催される本会議で正式に採決される予定である。(Pacific Islands News Association/MAR20)
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欧州議会議員、サモア協定の締結を支持(太平洋諸島)
2024.03.22