太平洋諸島は今後も注目の対象としてあり続けるが、この地域での出来事をその文脈の中で今まで以上にしっかりと理解していくことが大切だ。
まず、マーシャル諸島ハイネ大統領が就任した。次の選挙区はツバルで、1月末に投票が行われる。ここで特に注目されるのは、政権交代が2023年11月に調印されたオーストラリアとのファレピリ協定の将来にどのような影響を与えるかである。
さらに4月にはソロモン諸島の選挙がある。ソロモン諸島は台湾と断交し、中国が現ソガヴァレ暫定政権にとって主要な開発・安全保障パートナーとして確立された。4月の選挙はまだ日程は決まっていないが、2019年の物議を醸した「政権交代」後初の総選挙である。
今年選挙が行われる他の太平洋島嶼国は、パラオ(11月)とキリバス(日程未定)である。さらにバヌアツでは、慢性的な政情不安に対処するための憲法改正案について、史上初の国民投票が実施される見通しだ。
安全保障の問題は、2024年も太平洋諸島地域で引き続き議論されることになるだろう。この地域の特徴として気候変動と安全保障はますます複雑に絡み合っていくことになる。米国のようなパートナー国が、安全保障上の脅威として気候変動の重要性を明らかに認めたことは、歓迎すべきと言える。
パプアニューギニアでの暴動は、生活の困窮、不安定な政治に加えて、メディアやSNSを通しての扇動なども問題視されており、この地域での社会的結束の困難さを示している。
地域レベルでは、太平洋諸島フォーラム(PIF)の協力国となることを希望する国々から寄せられる注目の高まりを、PIFがどのように管理するのが最善かを決定しようとしている最中である。現在、6つの申請(デンマーク、エクアドル、イスラエル、ポルトガル、サウジアラビア、ウクライナ)に関して検討中だ。昨年のPIF首脳会合では、現在進行中の地域構想の見直しには、太平洋の優先事項が主導し推進する、対話パートナーとの取り組みのための新しい枠組みが盛り込まれていることが明らかにされた。
2024年は太平洋諸島地域にとって課題と機会の両方があり、政府、市民、地域社会、企業で取り組んでいかなくてはならない。(グリフィス・アジア研究所太平洋ハブプロジェクト・リーダーTess Newton Cainによる記事)(Radio New Zealand/JAN24, 2024)
https://www.rnz.co.nz/international/pacific-news/507416/pacific-predictions-a-look-ahead-at-2024