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PACIFIC ISLANDS NEWS [ 太平洋諸島ニュース ]

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各国がマグロ戦略改定合意-残る積み替え監視強化への懸念(太平洋諸島)

クック諸島で開催された西・中部太平洋漁業委員会(WCPFC)の会合で、マグロ漁対策の改訂について合意がなされたが、積み替えの監視強化についてはほとんど進展がなかった。改訂の一環としては、西太平洋と中部太平洋における魚群集積装置(FAD)の閉鎖期間が短縮され、より多くの漁獲が可能になった。公海と排他的経済水域(EEZ)の両方で、閉鎖期間が5カ月から2カ月半に短縮された。基本的に、禁漁期間は以前の半分に短縮され、巻き網漁船団に漁獲日数を販売する島々にとっては、より高い経済的利益をもたらすことになるという。ピュー・チャリタブル・トラストのHolms氏は「トレードオフとして」延縄漁船団も漁獲量を増やすことができるが、その場合、漁船が漁業規則を守っているかどうかを確認するオブザーバーのカバー率を上げる必要があると述べた。
WCPFC会合前の延縄漁船団に対するオブザーバーのカバー率は5%であり、巻き網漁船団は100%だ。しかしオブザーバーの率を高めることと漁獲量を増やすという事は別の問題だという意見も自然保護団体からは上がっている。2022年、カツオには、漁業決定を行うための事前合意枠組みという管理手順が採用された。しかし、環境保護団体は、この採択が完全には実施されず、拘束力を持たないことを懸念していた。今回改定されたマグロ漁対策では、カツオの管理手順に拘束力を持たせる文言が挿入された。カツオの管理強化に加え、北太平洋ビンナガマグロについても新たな漁獲戦略が導入された。この措置は太平洋全体に適用され、米州熱帯まぐろ類委員会もWCPFCと同じ手続きに同意した。会議に先立ち、FFA(南太平洋フォーラム漁業機関)は積み替え(船が港に入港せずに魚を他の船に積み替えること)に対する監視の強化を求めていた。積み替えは、監視の目が行き届かないために、悪質な漁業行為を助長すると考えられている。にもかかわらず、積み替え措置の見直しは行われなかった。さらにFFAは乗組員の福利厚生を確保するための拘束力のある措置も求めていたが、これらは2024年の年次総会での会合へ持ち越しとなった。(Radio New Zealand/DEC21, 2023)

https://www.rnz.co.nz/international/pacific-news/505287/nations-agree-on-revised-tuna-strategy-but-concerns-over-vessel-monitoring-remains