クック諸島で開催される第52回首脳会議は、「私たちの地域の癒し」がテーマである。今年初めのフィジーでの首脳会議にはキリバスが復帰し、亀裂が修復されたにもかかわらず、来週の会議に向けて、いくつかの重要な問題をめぐってフォーラムは分裂したままだ。
フォーラム議長のブラウン氏はRNZのインタビューに「私たちは、太平洋諸国として、自分たちの運命を決める流れを制御することが重要だ。」と語った。また、ニュージーランドとソロモン諸島を除く太平洋諸国の大半(フィジーも含む)が、イスラエルとハマスの停戦を求める国連決議に反対票を投じたことを受け、この件が議題に上がるとも述べた。
さらに、次期太平洋諸島フォーラム事務局長候補として、物議を醸しているワンガ元ナウル大統領の適性についても議題に上るだろうと答えた。ワンガ氏はナウル大統領時代、難民や司法の扱いで物議を醸し、未解決の事件での収賄で告発されている。一方、現職のプナ事務局長は、2024年前半に退任すると見られている。
その他の議題としては、米国の太平洋諸国への資金援助、気候変動などがあげられる。気候変動に関しては、いまだに化石燃料産業への支援を行っているオーストラリアとの交渉が不可欠だ。ブラウン氏はこの件に関して、「1兆ドル以上の化石燃料補助金が今年も出されていることは認識している。化石燃料の段階的廃止は、長いプロセスになる。」と語り、「COP28に向け、私たちは何十年も前から気候変動対策に関する声明を発表してきた。それでも、炭素排出国は公約を守っていない」と述べた。
今回のラロトンガの会議には、米国は少なくとも10名の代表団を派遣し、英国やその他の国からも非常にハイレベルな代表団が来ることがわかっている。しかし、パートナーが増えるほど、各国の思惑が交差し、仕組みや規律が必要になって来る。例えば、中国代表団は過去に、自分たちが希望する発言枠が与えられなかったために、会議を途中退席したことがある。そのような状況下において、オーストラリア首相とニュージーランド次期首相はこの会議に欠席の予定であり、両国における太平洋諸島の優先順位が表れている。とはいえ、この太平洋諸島フォーラムは、様々な「盛衰」や、昨年のキリバスによる脱退の危機にもかかわらず、何らかの形で運営され、52年間も機能し続けてきた。今回のラロトンガ会議は来週11月6日月曜日(クック諸島時間)に開幕する。(Radio New Zealand/NOV03, 2023)