PIFプナ事務局長は、太平洋は漁業権収入への依存から脱却し、マグロ産業の多様化と将来への備えを進める必要があると述べた。プナ事務局長は、ポートモレスビーで2日間にわたって開催された太平洋マグロ・フォーラムの基調講演で、繁栄の未来は、私たちの海、すなわち漁業とその資源にあると述べた。プナ事務局長は「ここにお集まりの皆様は、漁業資源を利用した新たな資金調達や 資金源を特定するために、現在の能力を革新し活用する競争において、パートナーでもあり、競争相手でもあり、おそらくその両方であると考えます。」と述べたうえで、FFA、SPC、PNAのようなパートナーが、太平洋諸国やWCPFCレベルとともに、この貴重な資源を管理するだけでなく、持続可能な発展のためにパートナーシップを継続し、協力していくことこそが有益だと主張した。
(FFA:南太平洋フォーラム漁業機関) (SPC:南太平洋委員会)(PNA:ナウル協定加盟国)(WCPFC:中西部太平洋まぐろ類委員会)
その漁獲量の多さと社会的・経済的価値の高さから、太平洋のマグロは世界の注目を集めており、マグロ資源の持続可能な管理の必要性がより一層高まっているとプナ氏は強調する。
1番目の問題として、太平洋諸島はIUU漁業(違法・無報告・無規制の漁業)によってあまりにも多くの収入を失っており、この問題を抑制するために革新的な技術に投資する必要があると訴えた。そのために、プナ氏は世界貿易機関(WTO)のすべての加盟国に対し、IUU漁業を防止し、抑止し、排除するための国際漁業機関(FAO)の港湾措置協定を含め、漁業補助金協定をできるだけ早く批准し、加盟するために必要な国内手続きを行うことを奨励するとした。
2番目の問題として、気候変動の影響が、海洋生態系にかつてない脅威をもたらすことを指摘。エルニーニョ・南方振動(ENSO)現象による気候変動がもたらすリスクは、マグロ資源の移動や再分配、漁業操業、そしてマグロに依存する太平洋島嶼国の経済的収益に大きな影響を与えるだろうとプナは述べた。
3番目に、市場動向と消費者の嗜好は急速に進化しており、私たちは適応し、革新し、市場の変化に対応する必要があります。海洋管理協議会(MSC)のような市場主導のスキームは、すでに当地域の熱帯マグロ対策に大きな成果をもたらしています」とプナ氏は説明する。
そして、IUU漁業と闘い、抑止するための優れたガバナンスと海洋管理を通じた地域協力の強化、気候変動の課題の緩和と対策の採用、健全な投資と貿易慣行を通じて、一般的なマグロ貿易と市場動向に対応することにコミットしていこうと講演を締めくくった。(Pacific Islands News Association/SEP07, 2023)