2022年1月のHunga Tonga-Hunga Ha'apai 火山噴火は、地球大気のオゾンホールに影響を与えた可能性がある。コペルニクス大気モニタリングサービス(CAMS)は、南極上空のオゾン層測定値やその他の指標が低く、今年のオゾンホールの発生が早いことを示していると述べた。過去43年間の衛星観測と比較したオゾンカラムの値は、他の重要な指標とともに、驚くべき変化を示しているという。CAMSは、南半球のオゾンホールにおけるHunga-Tonga噴火の正確な影響については、まだ研究の余地があるとしている。
CAMSによれば、この異常なオゾンホール発生期の始まりの説明となる理由の一つは、噴火によって大気中にもたらされた水蒸気の増加である。通常、南半球の成層圏では、太陽が南極点から昇る8月中旬から下旬にかけてオゾンホールが形成され、11月末に閉鎖される。2023年には、7月中、過去40年間で南半球の全オゾン層の最小値が最も低くなった後、異例の早さで形成が始まった。「南極のオゾンの3D解析と予測を提供する我々の技術は、オゾンホールがどのように発生するかをリアルタイムで監視し、観測されている現象の背後にある重要な要因を評価するための非常に有効な方法だ。」とCAMSのディレクターPeuch氏は語った。彼らは、例えば、成層圏の水蒸気量を増加させた昨年のHunga Tonga-Hunga Ha'apai 噴火などがその現象の背後にあるのではないかとみている。「現在、科学者にとっては未解決の問題であり、CAMSは2023年のオゾンホールが11月か12月の後半に消滅するまで、その詳細な監視情報を引き続き発信する予定でいる」と彼は語った。(Radio New Zealand/SEP06,2023)